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09月12日-02号

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  1. 奈良市議会 1997-09-12
    09月12日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    平成 9年  9月 定例会平成9年奈良市議会9月定例会会議録(第2号)----------------------------------   平成9年9月12日(金曜日)午前10時33分開議---------------------------------- 議事日程  日程第1 報告第27号 平成8年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について       報告第28号 平成8年度奈良市水道事業会計決算の認定について       報告第29号 平成8年度奈良市簡易水道事業会計決算の認定について  日程第2 議案第62号 平成9年度奈良市一般会計補正予算(第1号)       議案第63号 平成9年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第1号)       議案第64号 平成9年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)       議案第65号 平成9年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第1号)       議案第66号 平成9年度奈良市市街地再開発事業特別会計補正予算(第1号)       議案第67号 平成9年度奈良市水道事業会計補正予算(第1号)       議案第68号 奈良市役所出張所設置条例等の一部改正について       議案第69号 奈良市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正について       議案第70号 奈良市安全で住みよいまちづくりに関する条例の制定について       議案第71号 奈良市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について       議案第72号 奈良市立高等学校及び幼稚園における授業料等に関する条例の一部改正について       議案第73号 奈良市水道事業給水条例の一部改正について       議案第74号 財産の取得について       議案第75号 財産の取得について       議案第76号 財産の取得について       議案第77号 財産の取得について       議案第78号 工事請負契約の締結について       議案第79号 工事請負契約の締結について       議案第80号 工事請負契約の締結について       議案第81号 工事請負契約の締結について       議案第82号 委託契約の締結について       議案第83号 市道路線の廃止について       議案第84号 市道路線の認定について       議案第85号 和解及び損害賠償の額の決定について---------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ---------------------------------- 出席議員(43名)              1番  榧木義秀君              2番  池田慎久君              3番  山中賢司君              4番  森田一成君              5番  竹内成之君              6番  蔵之上政春君              7番  金野秀一君              8番  大井国崇君              9番  岡田佐代子君             10番  松村和夫君             11番  山口裕司君             12番  中村篤子君             13番  矢追勇夫君             14番  松田末作君             15番  峠 宏明君             16番  上原 雋君             17番  森 純男君             18番  山口 誠君             19番  船越義治君             20番  島崎光治君             21番  松石聖一君             22番  黒川恵三君             23番  田中美智子君             24番  原田栄子君             25番  中西義次君             26番  山本 清君             27番  吉田文彦君             28番  米澤 保君             29番  堀田征男君             31番  北尾好章君             32番  岡本志郎君             33番  大谷 督君             34番  日和佐穣甫君             35番  小林照代君             36番  横田利孝君             37番  中村誠一君             38番  扇田善次君             39番  小嶋高年君             40番  浅川清一君             41番  中村重信君             42番  和田晴夫君             43番  横井健二君             44番  橋本和信君 欠席議員(1名)             30番  福西 靖君---------------------------------- 説明のため出席した者            市長       大川靖則君            助役       桐木 弘君            助役       山中俊彦君            収入役      岩井健司君            市長公室長    山岡彦一君            企画部長     南田昭典君            総務部長     河村 武君            税務部長     辻 次郎君            市民部長     南 哲也君            民生部長     道地義弘君            福祉部長     高橋央生君            環境清美部長   香村侃彦君            経済部長     村田勝彦君            建設部長     澤井利雄君            都市計画部長   吉田信博君            都市整備部長   吉村隼鷹君            水道局長     辻谷清和君            業務部長     嶋田英隆君            給水部長     木田 享君            浄水部長     木村誠二君            消防長      林 茂樹君            教育委員長            職務代理者    藤本真典君            教育長      河合利一君            教育総務部長   松塚恒彦君            社会教育部長   佃 忠治君            監査委員     吉田 肇君            財政課長     中井正一君---------------------------------- 議会事務局職員出席者            議会事務局長   北尾義次            議会事務局次長            調査課長事務取扱 福田惠一            庶務課長     西村廣彦            議事課長     遠藤忠臣            議事課長補佐   福井 進            調査課長補佐   吉村安弘            議事係長     加井康章            速記       谷口藤男----------------------------------  午前十時三十三分 開議 ○議長(浅川清一君) 休会前に引き続き、会議を閣きます。---------------------------------- △日程第一 報告第二十七号 平成八年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定について 外二十六件(質疑並びに一般質問) ○議長(浅川清一君) 直ちに日程に入ります。 日程第一、報告第二十七号 平成八年度奈良市宅地造成事業費特別会計決算の認定についてより報告第二十九号までの決算三件、及び日程第二、議案第六十二号 平成九年度奈良市一般会計補正予算より議案第八十五号までの二十四議案、以上二十七件を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る八日の本会議において市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 二番池田君。  (二番 池田慎久君 登壇) ◆二番(池田慎久君) 私は、交政会を代表して、通告いたしました数点について、市長並びに教育長にお尋ねいたします。 我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、消費税の引き上げ等により個人消費が伸び悩んでいることもあり、景気の先行きは依然厳しい状況が続いております。 このような中、過日の新聞報道では、奈良県の平成八年度一般会計決算が発表され、それによりますと、単年度収支は六年連続で減額という記事がございました。本市の財政状況も、起債の借りかえ、償還年限の延長、さらにはマイナスシーリングによる経常経費の削減などに努められ、また予算の重点的、効率的な執行に努められていることは承知いたしておるところでございます。しかし、歳入の伸び悩みに加え、第二期基本計画に基づく大型プロジェクト事業の実施により、財政状況は大変厳しいものがあると思われます。 そこで、まず平成八年度の決算見込みはどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、本市の来年度予算編成方針についてお尋ねいたします。国におきましては、本年六月三日、財政健全化目標達成のため、財政構造改革の推進についての方策が閣議決定され、これに基づき、平成十年度の国の概算要求基準が定められております。それによりますと、一般歳出は平成九年度当初予算に比べて〇・五%の減、また公共事業費についてはマイナス七%という厳しい超緊縮型予算の編成基準となっているようであります。 これらを受けて、八月末に締め切られた一般会計予算概算要求総額は、一般歳出及び公共事業費を減額する方針を貫きながらも、国債費等の増加もあって、二年連続で八十兆円を超える規模とたっております。このような国の動向を踏まえて、奈良市の平成十年度予算編成の基本方針について市長にお聞かせいただきたいと思います。 二点目として、都市基盤の整備についてお尋ねいたします。現在、奈良市では、来年二月一日の市制百周年を、また二十一世紀を間近に控え、近畿圏における中核都市として発展を続けており、国際文化観光都市奈良まちづくりとして、JR奈良駅前周辺整備事業を初め、JR奈良駅付近連続立体交差事業や、近鉄学園前駅南及び西大寺駅北と南の都市基盤整備など、第二期基本計画に基づく諸事業の積極的な取り組みをされているところであります。 そこで、お尋ねいたしますが、鉄道の立体化を含めたJR奈良駅前周辺整備事業の進捗状況と今後の展望についてお聞かせください。 また、JR奈良駅西口改札設置についてでありますが、先般の八月十一日に行われました都市基盤整備特別委員会での質問に答えて、桐木助役は、経費負担も含めJR西日本と交渉しており、近く見通しをつけたいと答えられておられますが、その後の交渉の経過についてお聞かせいただきたいと思います。 次に、道路行政についてお尋ねいたします。私たちがふだんの生活をしていく上で、道路交通網は大変重要な位置にあると言えます。しかしながら、本市においては、道路等の基盤施設が脆弱なため、慢性的な交通渋滞を引き起こしております。我々市民のみならず、観光シーズンには多くの観光客が奈良を訪れるわけでありますが、これら渋滞などにより、観光地としても快適さを損ない奈良のイメージダウンにもなりかねません。これらを打破するためには、やはり通過交通が、市内の一般道路に流入しない、させない道路、すなわち京奈和自動車道の早期実現が望まれているところであります。ところが、ルート的にいまだに決定されていない区間が大和北道路で、その大半が奈良市域を通過する部分であります。他市においては、すべてルート決定がされているにもかかわらず、本市部分が決定していないのは、県都として恥ずかしい限りであります。 市長は、以前より、本市における京奈和自動車道の建設、整備について、促進期成同盟を設置していくとの考えを示されておられます。私は、行政のみならず、我々議会また市民ともども、もっともっとこの問題について議論を重ねるべきであると思っておりますが、市長の御見解と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。 次に、京阪奈新線についてお尋ねいたします。最近の新聞報道によりますと、京阪奈新線については、近鉄が第三セクター方式により、今年度中に事業申請したいとあり、また運輸省が平成十年度鉄道関係予算要求ニュータウン鉄道整備事業費補助の中に、新規分として京阪奈新線が予算要求されているとあります。近鉄奈良線が慢性的な混雑状態にあること、また奥柳登美ケ丘線は、朝の時間帯には車両の通行制限があり、市民が大変不便な思いをしている中で、市民の長年の希望であります京阪奈新線の整備が具体的に進んでいくことは、私といたしましても大いに歓迎するべきことであると考えております。 そこで、お伺いいたしますが、現在わかっておられる事業計画の概要をお示しいただきたいと思います。また、第三セクター設立となれば、当然、奈良市も相応の経費負担をしていかなければならないと考えますが、その点、市としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、近鉄尼ケ辻駅の構内踏切の解消についてお尋ねいたします。私は、昨年六月の本会議でもお尋ねいたしましたが、いまだに危険な駅構内踏切が残っております尼ケ辻駅の改良整備について、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に、本市の福祉行政について、数点お尋ねいたします。本年一月、国立社会保障人口問題研究所は、平成七年の国勢調査に基づき、日本の将来推計人口を公表いたしました。その推計によりますと、我が国の総人口は、二〇〇七年を境に減少し始め、二〇五〇年には一億五十万人と、現在より約二割も減少する一方で、六十五歳以上の人口の割合は、今後もさらに上昇し続け、二〇一〇年には四人に一人が、また半世紀後には約三人に一人が、六十五歳以上という超高齢社会が到来することが予想されております。 このような高齢化の進行に伴い、高齢者介護の問題が、社会全体にとって、また私たち国民一人一人にとって、大きな問題にもなっております。介護を必要とする状態になっても、自立した生活を送り、人生の最期まで人間としての尊厳を全うできるよう、新たな社会的支援体制の確立が求められております。 国では、本年五月に介護保険法案が衆議院を通過し、現在、参議院にて審議されているところでありますが、この秋にも成立の見通しとなっております。このまま成立しますと、二〇〇〇年四月から公的介護保険が導入されるようであります。 本市におきましても、今からその体制づくり、準備が必要かと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。また、来年四月にオープン予定の仮称奈良市老人ホームの運営はどのようにされるのか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、ごみ処理及び環境対策についてお尋ねいたします。近年、全国的にごみ問題が大きな注目を集めている中で、私も奈良市民の一人として、深刻化するごみ問題に対して大きな関心と危惧を抱いているところであります。現在のごみ処理事業について考えてみますと、従来の出た物を処理する段階から、ごみの発生抑制と再生利用を促進することにより、ごみの減量化に努める段階へと進んでおります。私は、今後、さらなるごみの減量化と再生利用の促進を図り、新しい時代のごみ処理事業への転換を図るためには、市民、事業者、行政が、個々に担うべき役割と責務を明確にし、奈良市における循環型社会の構築に向け、お互いの活動を促していくための施策が必要であると考えております。 このような観点から、今回の条例の一部改正につきましては、廃棄物の減量について、市、事業者、市民の責務を具体化し、あわせて事業系ごみ処理手数料の適正化を図ろうとされるものでありますので、大変時宜を得たものとして、我々交政会といたしましても、市長の英断に対し、高く評価をいたしております。 そこで、まず事業系の一般廃棄物処理手数料の改定について、市長にお尋ねいたします。現行の手数料は、平成四年度に十キログラムにつき四十円から六十円に条例改正されて、平成五年度より施行されておりますが、五年経過後の平成十年四月一日からは、新たに十キログラムにつき六十円から百円に改定されようとするものであります。 先般の教育厚生委員会において、奈良市清掃業務審議会の答申内容について報告を受けたところによりますと、環境清美工場に搬入されるごみの総量は、年々増加しており、平成八年度は十三万六千六百九十二トン、平成三年度の十二万八千六百八十五トンと比べますと、五年間で六・二%の増加となっております。中でも、特に事業系ごみ量の増加は著しく、平成八年度は五万二千九百九十八トン、平成三年度の四ガ二千百三十八トンと比較すると、五年間で二五・八%も増加しており、ごみ量全体において事業系ごみの占める割合も、現在では四〇%近くを占めております。 この事業系ごみ、いわゆる事業活動に伴って生じたごみについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、事業者は、みずからの責任において適正に処理しなければならないとされていますように、事業系ごみの処理費用は、排出者負担が原則であります。このことから申しましても、事業系ごみは工場に搬入された後、市において焼却、破砕の中間処理と理立処分を行っておりますので、排出者である事業者に対して、この処理費用に応じた応分の負担を求めていくべきと考えます。 そこで、市長にお尋ねいたします。今回の事業系ごみ処理手数料の改定は、適正なごみ処理を推進していく上でどのような効果を及ぼすのか、また排出者である事業者に対して、今後どのように周知され、理解を求めていくのか、この二点についてお答えいただきたいと思います。 次に、ごみ焼却炉などから排出されるダイオキシンについてお尋ねいたします。ダイオキシンは、がんや奇形等、さまざまた毒性を有していることから、人体に対する影響が懸念されており、その対策の強化が緊急の課題となっているところであります。我が国におけるダイオキシンの発生抑制の対策は、焼却炉に対して、平成九年一月、新ダイオキシン類発生防止等ガイドラインが出され、これに基づき、指導等がなされているところでありますが、法的な強制力を伴っておらず、本年十二月一日から施行される大気汚染防止法及び廃棄物処理法施行令の一部改正により、廃棄物焼却施設の構造及び維持管理基準が法制化され、規制されることとなったのであります。 奈良市の焼却施設を見てみますと、既に教育厚生委員会並びに本会議でも明らかにされているように、既存のごみ焼却施設の経過基準でありますダイオキシン排出濃度基準八十ナノグラムに対して、平成七年度の測定結果は十三ナノグラムで、基準値以下であることは承知いたしておりますが、法改正では、既存の焼却施設は、五年間の経過措置があるとはいえ、五年後以降においては一ナノグラム以下にしなくてはならないこととなっております。このことにより、私は、本市において市民の健康を守っていくためにも、ダイオキシンを削減する施策が必要であると考えます。また、ダイオキシンの発生は、一般的に燃焼状態のよしあしと密接な関係があり、ごみの完全燃焼を継続することにより、ダイオキシンの発生が抑制できるのであります。平成八年度も環境清美工場において、ダイオキシンの排出濃度を測定されていると思いますが、ダイオキシンの排出濃度の測定結果と今後のダイオキシン削減対策についてお聞かせください。 さらに、教育長にもお尋ねいたしますが、ダイオキシンの問題で、文部省が七月に学校内にて出るごみの校内での焼却を抑制、あるいは廃止に努めるよう、各都道府県教育委員会に通達したことから、学校の焼却炉を廃止する動きが出てきております。県内では、御所市、生駒市が、また金沢市なども既に全廃を決定しておりますが、本市のお考えをお示しいただきたいと思います。 次に、観光対策、つまり二十一世紀を見据えた観光客の誘致対策についてお尋ねいたします。奈良市は、緑豊かな自然環境と数多くの歴史的文化遺産に恵まれ、国内外より多くの観光客が訪れる国際文化観光都市として発展してまいりました。 しかし、近年の奈良への入り込み観光客数は、「奈良市入込観光者調査報告書」によりますと、昭和六十三年に開催されました「なら・シルクロード博覧会」をピークに、その後、減少傾向が続いており、とりわけ、修学旅行生の減少が著しく、少子化や交通機関の発達等による影響を考慮に入れても、その減少に大変危惧しておるところであります。一方、観光客の誘致対策として、奈良をイメージする仏像ポスターを初め、各種ポスターの掲示やパンフレットの配布、市内各社寺等に伝わる伝統的な行事の案内や、平成八年度から導入されたインターネットによる観光情報の提供、冬場の奈良大和路キャンペーンの取り組みなど、いろんな手法を使って誘致宣伝施策を展開されており、これらの一連の継続した取り組みがあって、平成八年度の観光客数はほぼ現状維持されていることと考えられます。 また、本市は、平成十年には奈良市制百周年を迎え、その記念事業が一定期間、市内で開催されることや、復元された朱雀門の一般公開など大きなイベントが実施されることに加え、東大寺や春日大社などが、古都奈良の文化財として、ユネスコの世界文化遺産に登録が実現となりますと、以前にも増して、奈良が多くの人でにぎわうことが予想されるところであります。 そこで、これらを観光客誘致にどのように生かしていかれるのか、またこれを機に二十一世紀を見据えた観光客誘致について、どのように考えておられるのか、市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。 次に、本市の社会教育行政について教育長にお尋ねいたします。現在建設中の仮称奈良市生涯学習センターは、平成十年三月末の竣工予定で、工事も順調に進んでいるようであります。本市において、いよいよ来年度から生涯学習センターを中心として、生涯学習システム及びネットワークが整備され、公民館網を初め、あらゆる社会教育の分野、さらには一般行政すべてを含んだ生涯学習社会が構築されることを期待しているところであります。生涯学習の理念においては、いつでも、どこでも、だれでも生涯を通じて学び続けながら、一人一人の能力や可能性が十分開発され、生かされるような社会が築かれなければなりません。 奈良市では、既に平成六年三月、生涯学習推進基本計画を策定され、生涯学習センター建設を含め、ハード・ソフト両面において全庁的な体制で生涯学習の推進に力を入れておられるものと思いますが、まず生涯学習とは具体的にどのような範囲を指すのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。また、生涯学習センターが果たす役割についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 さらに、生涯学習の中心的施設として位置づけられる公民館について、本市では、生涯学習の振興のため、平成七年度より公民館活性化事業費として予算化され、地区公民館に配分されていると伺っております。私も、市民の皆さんから、それぞれの地区公民館では工夫を凝らし、地域のニーズに合った特色ある公民館の主催事業を展開していただき、学習できる機会がふえ、学習意欲が増した、感謝しているという声もお聞きしております。私は、生涯学習の拠点とも言うべき地区公民館の老朽化に伴う増改築や建てかえも、これから積極的に取り組んでいただきたいと願っております。 そこで、近鉄第十一次の住宅開発が行われるなど、人口の急激な増加が予想され、老朽化してきている登美ケ丘公民館のリニューアルを望む声が高まってきております。私としても、早急な対応をお願いいたしたいと思いますが、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の第一問を終わります。 ○議長(浅川清一君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 二番池田議員の御質問にお答えをさせていただぎます。 まず、平成八年度の決算見込みでありますが、一般会計におきましては、歳入歳出の差し引きである形式収支は四十九億四千二百万円余りであります。このうち、翌年度に繰り越すべき財源二十五億五千三百万円余りを控除した後の実質収支は、二十三億八千九百万円余りの黒字となっております。このうち、十三億円を財政調整基金に積み立て、残りの十億八千九百万円余りが平成九年度への繰越剰余金となっているところであります。 次に、平成十年度の予算編成における基本的な考え方についてということでございますが、来年度は、先ほどの御指摘のように、国においても行政改革が進められ、その一環として、財政構造改革が行われます。地方自治体に対する補助金の削減も余儀なくされるものと予測をいたしているところでもございます。したがって、歳入におきましては極めて厳しい状況になるものと考えられます。 このような状況から、奈良市の考え方といたしましては、平成八年度から行っております第二期基本計画、奈良市の将来都市像を定めたその基本構想の第二期分の重点的な施策の、計画的にそれを進めてまいりたいと、そのように思っております。また、平成十年二月一日に迎えます市制百周年の記念事業にも、次の百年に向かっての出発点として、さまざまな行事も考えていかなければならないと、このように考えているところでございます。それがために市民の御理解もいただきながら、投資的経費の見直し、あるいは経常経費の節減をさらに行い、適正な予算の編成に努めてまいらなければならないんじゃないかな、かように考えている次第でございます。 次に、JR奈良駅周辺整備の進捗状況についての御質問でございますが、まず整備の中核事業であります土地区画整理事業については、平成三年度より移転を必要とする物件の交渉に入り、現在では、駅西側で八三%、駅東側で四五%となっております。全体で六三%の進捗を見ているところであります。移転が進んでまいります駅西側につきましては、既にコミュニティ住宅西側の宅地や道路の完成を見ており、今後は西口駅前広場や人工地盤の整備を進め、平成十年春には西側の概成を図るべく、鋭意工事を推進しているところでございます。 続きまして、各施設についてでありますが、現在、駅西側では、再開発ビルを建設中であり、完成いたしますと西口駅前地下駐車場とあわせて平成十年四月にオープンする予定でございます。また、仮称市民ホールにつきましても、平成十年秋の完成を目指しており、平成十一年二月にはオープンできるものと予定をいたしております。なお、駅東側につきましては、当面、支障物件の移転補償に努め、幹線道路の三条本町線を中心に、南側より順次、整備を進め、早期に使用収益の開始を図るとともに、ホテル等の誘致の具現化に向けて推進をしてまいる所存でございます。 次に、駅西口仮改札についてでありますが、目下施工中の駅前広場、道路、再開発ビル等の整備にあわせて来年の四月の開設を予定をいたしております。この四月の開設に当たって、奈良市の新しいまちづくりの拠点づくりの考え方もありますので、JR奈良駅西側のまち開きを四月ごろからしてまいりたいと、かように思っております。そして、JR奈良駅西側の改札口についてでありますが、JR西日本本社と去る十日、桐木助役、そして吉田都市計画部長が本社に出向いて、改札の管理運営についての協議をしてまいったところでもございます。その協議の結果、随分とJR西日本本社も前向きの姿勢になっていただいているということでございますので、早期にその話し合いの解決をしてまいりたいと、かように思っているところでございます。 次に、御質問の京奈和自動車道の今後の取り組みについてでありますが、世界に誇る多くの文化遺産を有する本市といたしましては、御承知のとおり、ユネスコヘの世界遺産登録を契機に、国際文化観光都市にふさわしい取り組みが必要であると考えておりますが、御指摘のように、観光産業の基盤施設となります道路機能の強化が必要でございます。近畿圏の都市間を結ぶ高規格幹線道路である京奈和自動車道は、まさに本市の生命線となる基盤施設であり、市民はもとより、各界からも早期実現が望まれているところであります。 そこで、本市といたしましては、近日中に行政、民間が一体となった整備促進のための組織づくりを行ってまいりたいと思っているところでもございます。この組織については、県の期成同盟会とともに早期にルート決定、事業の着手に弾みをかけてまいれるものと、かように存じているところでございます。 次に、京阪奈新線についてでありますが、平成元年に運輸政策審議会答申が出され、近鉄生駒駅から高の原駅まで、二〇〇五年までに整備することと位置づけされております。平成八年には、近畿地方交通審議会答申により、早期事業化を図る方策として、第一段階を生駒駅から登美ケ丘付近までの整備、第二段階を高の原までの整備となっているのであります。特に、京阪奈新線は、大阪都心からの交通アクセスとして、近鉄奈良線の混雑緩和を図るための重要路線でもあり、関係機関との調整に努めてまいります。 事業計画の概要でありますが、全線約十二・二キロメートルのうち、当面は第一期として、生駒駅から登美ケ丘間、約八・五キロメートルを整備することになっております。建設費は約一千億円、運営主体は近畿日本鉄道株式会社でありますが、建設主体としては、国の助成等の関係もございますので、第三セクター方式になるものと思っております。今後、第三セクターの設立や負担金額等については、奈良県、生駒市、そして近鉄とも十分協議を行い、整備促進に努めてまいりたいと思っております。 次に、尼ケ辻駅改良工事についてでありますが、西ノ京駅が平成八年五月に完成し、引き続いて、本年七月より平城駅の地下化に向けて近畿日本鉄道株式会社が事業に着手をしたところでございます。これは、平成十一年九月に完成の予定でございます。尼ケ辻駅につきましても、駅舎を地下化することにより、構内踏切を廃止して構内自由通路による東西両方からの改札実施等、また福祉面にも配慮した駅舎の改築を計画しておるところでございます。それとあわせて駅前広場の整備も含めた協議を、今後、近畿日本鉄道株式会社を初め、関係機関と進め、来年度にはその実施計画の策定を完了してまいりたいと思っているところでございます。 次に、福祉行政についてでありますが、公的介護保険法導入に伴う市の体制であります。現在、国会で審議中の公的介護保険制度は、平成十二年度より市町村が保険者となって実施される予定です。したがいまして、公的介護保険制度の適切かつ円滑な運営を行うために、来年度より介護保険準備室の新設を福祉部の中で検討していかなければならないと、このように思っている次第でございます。 また、市立老人ホームの運営についてでありますが、現在、古市町で建設を進めております市立老人ホームにつきましては、現在の和楽園を引き継ぐ養護老人ホーム--定員が百五十人、のほかに特別養護老人ホーム--定員が八十人、そしてショートステイ、ケアハウス、デイサービスセンター、在宅介護支援センターを併設した老人福祉の総合施設として、来年の四月の開所を目指しているところでございます。このホームの運営につきましては、現在、和楽園が民生児童委員協議会で運営をしていただいているところでもございますので、そうした経験も含めて今の和楽園が引き続いて、民生・児童委員の運営に委託をしようと、このように思っているところでございます。 次に、ごみ処理及び環境対策についてでございますが、事業系のごみ処理手数料の改定による効果云々についてでありますが、御質問のとおり、事業系ごみは、急激な増加により、ごみ総排出量の四〇%近くを占めるようになってきております。事業系のごみにつきましては、排出者責任が原則であります。排出者である事業者に対して、処理経費に応じた、応分の負担を求めることが当然ではなかろうかなと、かように思います。今回の改定により、事業者のごみ減量に対する意識高揚が図られ、排出抑制と再利用、再資源化の促進により、環境清美工場の適正管理や、また最終処分地の延命にも効果があるものと思っておるところでもございます。また、周知につきましては、来年四月の施行までに、排出事業者や収集運搬許可業者、事業者の団体等に対し、市民だより等を初めとして、いろいろな広報をもって周知をしてまいりたいと思っております。 次に、ダイオキシンの対策についてでありますが、御指摘のとおり、廃棄物処理施設から排出されるダイオキシン類を削減するため、本年十二月一日より施設の構造基準と維持管理基準が強化されるところであります。御質問のありました、平成八年度での環境清美工場からのダイオキシン排出濃度の測定値は、十二・二ナノグラムと基準以下で、現在のところまだ基準以内であるということでございます。また、今後のダイオキシン排出削減対策といたしましては、今回新たに示された基準に沿って施設の適正管理を行い、あわせてごみの排出抑制とリサイクルのさらなる促進により、ごみ焼却量全体をできる限り抑制してまいりたいと思っております。市民の皆さん方に御協力をいただきますよう、周知徹底を図ってまいりたいと思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 観光対策について。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 失礼しました。観光対策について漏れておりまして、大変失礼しました。二十一世紀を見据えた観光客の誘致対策についてでございますが、奈良市は観光に生きるまちとして、昭和二十五年九月二十日に奈良市民の七三・五%の投票をもって、そのうち、七四%の賛成をいただいて、奈良国際文化観光都市建設法が成立して以来、観光協会の法人化など行って観光対策を図ってきたところでございます。観光産業は、御承知のように、すそ野が広く、その経済波及効果が大きいことから、本市の経済活性化のためには観光を重点と置くべきだと考えているところでもございます。平成十年には朱雀門と東院庭園の一般公開や、それに伴う記念事業の開催を初め、奈良国立博物館の新館完成による特別展示、市内一円で長期間にわたり実施される市制百周年記念事業に加えて、古都奈良の文化財として世界遺産登録が実現なろうかと存じております。 こうしたことが大きな話題となり、一つは、奈良に対する集中というものが非常に大きくなってくるんじゃないかなと、かように思います。したがって、これらの事業を生かした、百周年を契機とした、私は観光再出発の年と、こういう位置づけをしてまいりたいなと、かように思う次第でもございます。 また、世界遺産登録後、どのように生かすかという御質問でもございましたが、これは世界じゅうの人々が奈良の文化財を知っていただくことであり、そして関心を高めていただく、また奈良の文化財に学ぼうと、そういう機運を高めていただくような方策も考えていかなければならないと思います。近々登録されようとしている寺社の方々にお集まりをいただいて、そうしたこと等についての協議を進めてまいりたいと、かように思っているところでございます。 以上です。 ○議長(浅川清一君) 教育長。 ◎教育長(河合利一君) お答えをいたします。 まず初めに、学校、幼稚園の焼却炉の問題についてお尋ねいただいているわけでございますけども、教育施設から排出されるごみにつきましては、分別処理の徹底、資源ごみのリサイクル化等、ごみの減量化に努めるよう、各学校・園に対しまして指導いたしているところでございます。しかしながら、最近、学校焼却炉でのごみ処理に伴います有害物質の排出等による環境汚染が指摘をされているところでございます。学校・園に対しまして、機会あるごとに、焼却炉での有害物質を出すおそれのあるものにつきましては、これは絶対に分別するようにという指導の徹底を行ってございます。おそれのあるごみと申しますのは、御承知のとおり、プラスチック系のごみでございますけども、これをそうでないごみとの分別によって焼却するように指導いたしてございます。なお、学校・園でのごみの内容によっては、子供たちのプライバシーにかかわる書類もたくさんございますので、この処理を含めて各関係機関と今後検討してまいりたいと、このように考えてございます。 次に、生涯学習の範囲と生涯学習センターの役割についてお尋ねいただいておりますが、生涯学習は、人が生涯を通じて学び続けるものであることから、社会教育、あるいは学校教育、家庭教育、趣味、文化活動、ボランティア活動など、あらゆる学習を包括するものだというふうに考えてございます。また、学習センターの役割は、市全体を対象とした生涯学習の情報の提供、学習相談、生涯学習の指導者の育成などを行い、奈良市の生涯学習の拠点として、また情報の発信基地としての役割を担っているものだというふうに考えてございます。 次に、地区公民館の建てかえについてでございますけども、公民館は、身近な日常生活圏域における社会教育活動の中心的な施設として、御利用いただいているところでございます。最近とみに、住民の生涯学習に対する関心の高まりから、学習需要が多様化し、施設の狭隘化とともに老朽化が進んでいる施設もあって、現在、順次建てかえを行っているところでございます。 ただいま御質問いただきました、登美ケ丘公民館につきましては、老朽化とともに開発中の周辺地域の人口増加が見込まれるなど、施設の全面的な整備が必要であると思います。したがいまして、できるだけ早い時期に実施できるよう努力してまいりたいと、このように考えてございます。 以上です。 ○議長(浅川清一君) 池田君。 ◆二番(池田慎久君) 二問目は自席より行わせていただきたいと思います。 まず、通告順に従いまして、まず財政についてでありますけれども、ただいま市長からも御答弁ありましたように、いわゆる低成長時代といいますか、そういった時代に合ったですね、財政構造の転換いうものが必要でなかろうかな、そのように私自身も考えております。もちろん第二期基本計画に基づいたですね、予算配分しなければならないことというものは、していただかなければいけないと私自身も考えておりますが、いわゆる現下でもそういった厳しい状況の中でですね、予算的にも十分配慮をしていただいて、財政運営に努めていただきたいと思います。また、決算あるいは予算につきましては、それぞれ、十二月あるいは来年三月の、決算特別委員会なり、予算特別委員会いうものがございますので、この程度としておきたいと思います。 そしてまた、二番目のJRの奈良駅西口改札の設置についてでありますけれども、ただいまの市長の御答弁の中で、西口改社設置に向けてですね、JR西日本側と大変いい状況に、いい方向にですね、進んでいるというふうにお聞きをいたしまして、大変安心をしているところであります。市長さんもおっしゃいましたように、私どもも期待をしておるわけでございますけれども、ぜひとも四月一日のですね、再開発ビルなどのオープンに間に合うように、引き続きの御努力をお願いしたいと思いますし、またJR連続立体交差事業も完成までにはまだまだ時間がかかります。そういった意味で、できるだけ市の負担もですね、軽減されるように御配慮、御努力をお願いしたいと思います、要望しておきます。 また、京奈和自動車道についてでありますけれども、私はですね、個人的な意見になるかと思うんですが、例えば市内のですね、各層のいろんな意見を集めていただいて、市内全体で、市民全体でですね、京奈和自動車道の建設促進に向けた機運というものを高めていく必要があるんじゃないかな、そのように考えております。まあ各層といいましても、いろいろございます。例えば女性でありますとか、あるいは我々みたいな若い世代とか、そういった方々もですね、そういったグループに交えていただいて、いろんな意見を待ってですね、国の方へお願いをすると、機運を高めていくという御努力をお願いしたいと思います。 そしてまた、先ほどちょっと財政のとこで触れましたけれども、公共事業費も来年度七%もカットされるという状況でございます。そういった意味で、国もですね、ダムの建設を中止したりとかという動きも出ております。そういった中で、地元の熱意といいますかですね、そういった機運を盛り上げていって、少しでも我々の思いというものをですね、国へ届くようにお考えいただければなと、そのようにも考えております。そしてまた、我々交政会といたしましても、議会という立場で、また市民という立場でですね、全面的に後押しをしてまいりたいと考えておりますので、そのあたりよろしくお願いを申し上げます。 次に、京阪奈新線についてでありますけれども、現在の計画では、とりあえず第一期目の登美ケ丘駅までと、八・五キロメートルですか、いうことなんですけれども、やはりすぐ北側にできつつ、形成されつつあります関西文化学術研究都市へのアクセス面から考えてもですね、やはり高の原までの全面的な全線の延長といいますか、全線の開通が必要であるということは、我々皆が認めるところであろうかと思います。そういったことでですね、この計画としましては、とりあえず第一期目、登美ケ丘駅までということでありますけれども、その二期目の高の原までの十二・二キロ、全線の開通といいますか、そういったものが継続的に、また早急にですね、実現しますように、市としても働きかけをお願いをしたいと思います。 そしてまた、前向きな御答弁をいただきました、尼ケ辻駅につきましても、ひとつ前向きに来年度ですね、実施計画に向けてよろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、福祉についてでありますけれども、ただいま市長の御答弁の中で、公的介護保険の導入に向けた準備室、来年度福祉部の中に設置を考えておるということで、僕が予想しますところによりますと、大変、事務量的にもですね、膨大になってくるんじゃないかなと。そういった意味で、準備室、どれぐらいの規模で、どれぐらいのものをお考えなのかというのは、我々考える由もないんですけれども、まあそのままですね、二〇〇〇年四月からの導入に移行できるような形での準備といいますか、対策といいますか、受け皿といいますか、そういったものもあわせて要望しておきます。 それとともに、ゴールドプランに基づいたですね、ハード面--特別養護老人ホームなどの施設面、あるいはホームヘルパーさんなどのソフトの面ですね、あわせてその整備、受け皿というものは、当然、公的介護保険、導入されるときには整備しておかなければならない必要最小限条件ではなかろうかな、そのように思っておりますので、そのあたりも鋭意御努力をお願いを申し上げたいと思います。 それから、続きましてごみ問題についてでありますけれども、市長、答弁ありましたように、今回の事業系ごみ処理手数料ですね、の改定はですね、事業者に対して応分の負担を求めていくだけではなく、それによって事業系ごみの減量と、それからリサイクルの促進いうものにつなげていくことが、最大の目的といいますか、意義ではなかろうかなと、そのように思います。今回の改定に当たっては、排出事業者や収集運搬業者に対して、これまで以上にごみ処理事業について積極的な市としての情報提供に努めていただくとともにですね、予想される--ないにこしたことはないんですけれども、予想されるであろう不法投棄などを招くことのないように、十分な対応をお願いしておきたいと思います。 また、今回の条例改正によりましてですね、事業系ごみだけではなくって、一般の家庭系のごみにつきましても、さらなるごみの減量とリサイクルの促進、推進に向けてですね、市民、事業者への啓発、指導に取り組んでいただけることもあわせて要望しておきたいと思います。 また、ダイオキシン対策でございますけれども、現在、本市の場合、ダイオキシンの排出濃度は、先ほどありましたように、平成八年度十二・二ナノグラムということで、経過基準といいますか、であります八十ナノグラムの基準値以下ということでございますけれども、このたび、規制されております、構造基準並びに維持管理基準に沿った施設の適正な管理、あるいはごみの排出抑制、リサイクル等によってですね、より一層、積極的な施策の推進を推し進めていただけるように要望しておきたいと思います。 また、学校焼却炉につきましては、学校教育現場でいろいろとまあ問題といいますか、あると思いますけれども、要は分別さえすればダイオキシンの発生というものは十分に発生抑制できるんじゃないかなと、そのように私自身も考えておりますので、教育委員会も引き続きですね、そのような対応をお願いしたいと思います。 続きまして、観光につきましてはですね、市長さん、詳細な御答弁の中で、説明をいただきまして、いわゆる観光としての再スタートの年として、来年度を位置づけたいということでございます。先日、新聞にもですね、東京の方へ、奈良市主催ということで出向かれまして、修学旅行の誘致に、村田経済部長ほかですね、著名人が奈良について語り、説明をし、奈良の魅力を訴えてきたということの新聞記事も出ておりました。そしてまた、十日の新聞にも、県と歴史街道推進協議会とあわせてですね、奈良市がソウルで「古代・韓日交流への誘い」というものを開催をされて、観光客誘致に努められておるということを聞いております。私もことし三月のですね、予算特別委員会でも、観光の問題について取り上げまして、修学旅行あるいはそれ以外にも、例えばコンベンションでありますとか、一般の観光客、まあいろんな形でですね、奈良の観光をもう一度再確認をして、行政のみならず観光産業に携わる方々、あるいは我々市民もー緒にですね、この国際文化観光都市奈良いうものを盛り上げていく必要があるんではなかろうかなと、そのように考えております。 最後に、社会教育についてでありますけれども、来年三月末に竣工予定ということで、生涯学習センター建設を進めていただいておりますけれども、特に、私、前から委員会などでもお願いをしてますように、やはり全庁的な取り組みというものが必要ではなかろうかなと、今回、教育長に御答弁をいただいたわけでありますけれども、いろんな意味で、生涯学習というのはいろんな--教育委員会、社会教育だけじゃなくてですね、一般行政なんかも社会教育の中に含まれてくるということでございますので、そういった意味での体系づくりといいますか、生涯学習センター、せっかくできるわけですから、それを中心としたネットワークづくり、システム化というものも十分に検討いただいてですね、進めていただきたいと思いますし、また小さなシステムとか、小さなネットワークではなくって、いろんな市内の施設でありますとか、そういった情報を提供できる機会をですね、いろんな形で--コンピューターの端末であれば限られたとこに置くんじゃなくって、できるだけ多い地点にですね、配置をしていただいて、市民が気軽に--例えば公民館へ行った場合に、情報提供を受けれると、勉強ができると、学習機会がいただけるというようなシステムであってほしいなと私自身考えておりますので、よろしくお願いいたします。 また、登美ケ丘公民館につきましても、前向きの御答弁をいただきました。大変人口が増加しまして、自主グループ、あるいは主催事業なんかも行っていただいているわけなんですけれども、大変狭隘化して、老朽化もしております。そういった意味で、来年度ひとつ予算化に向けてですね、教育委員会としても御努力をお願いをいたします。 いずれにいたしましても、大変、どんな施策についてもお金、財源というものが要るのには違いないわけでございまして、第二期基本計画に基づいた形でですね、これから適正な予算配分といいますか、先ほども言いましたけれども、財政運営に努めていただくことを私の方から要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(浅川清一君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午前十一時三十四分 休憩  午後一時二十四分 再開 ○議長(浅川清一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。---------------------------------- ○議長(浅川清一君) 代表質問を続行いたします。 六番蔵之上君。  (六番 蔵之上政春君 登壇) ◆六番(蔵之上政春君) 私は、政友会を代表いたしまして、通告いたしました数点について、市長並びに教育長、水道局長にお尋ねいたします。 質問の前に、一昨日の新聞に掲載されていました大川市長の定例記者会見のことについてでありますが、市長は、海外の訪問先で、休日に父親がリュックサックを背負い、サッカーボールを手に、自分の子供とまちを歩く姿を目にして感動を覚えた。先生が子供を教えるに当たっては、市が実施している海外派遣研修で、外国のまちの姿や、子供たちがどういうふうな私生活をしているのか見聞きしたものを教育に生かしてほしいと語っておられます。常に、まちづくりは人づくりの考えのもとに、次代を担う子供たちが、国際社会で活躍できるよう、個性豊かな人間性をはぐくむ社会の実現を目指しておられる市長の教育に対する情熱を改めてうかがい知ることができ、元教職に身を置いた者として、大変感動しているところでございます。子供たちが伸び伸びと育つ教育環境づくりを一層推進されますよう、お願い申し上げる次第でございます。 さて、まず最初に、市制百周年記念事業について、市長に質問をいたします。奈良市は、明治三十一年二月一日の市制施行以来、現在まで、近畿圏の中核都市として、また国際文化観光都市として発展してまいりました。二十一世紀が目前に迫っている今、奈良市は、恵まれた文化遺産、多様な都市機能を生かし、市の将来都市像である「歴史と自然と生活文化が織りなす、創造と交流の世界都市--奈良」を目指して、さらなる飛躍をしていこうとしております。そして、いよいよ来年は、平成十年は、市制百周年の節目の年を迎えるのであります。 この節目の年に、本市の歴史を顧み、先人たちの業績をたたえ、市の将来都市像の実現と、市民とともに二十一世紀への新しい魅力あるまちづくりを目指して、百周年記念事業が計画されております。事業の構成は、記念式典、百周年記念事業、世界遺産登録記念事業、仮称奈良市民ホール完成事業となっており、平成十年二月一日の記念式典を初め、市民が選んだ奈良百景を絵画にして展示・公開する奈良百景展、大道芸人やピエロのパフォーマンスを初め、市民文化サークルなどの協力を得て実施することにより、まち全体ににぎわいをもたらすストリート・ライブや、奈良の伝統行事である薪御能の特別開催、また市民公募アイデアイベントの実施など、市民がこぞってお祝いできる奈良らしい数々のイベントが予定されており、百周年を記念するとともに、次の百年への出発点として、盛大に実施していただきたいと期待しているところでございます。 さらに、観光客が減少傾向にある現在、将来の奈良市の観光振興対策につながるものであるため、ぜひ成功させていただきたいと思うわけでもあります。 そこで、市制百周年記念事業の取り組みについてでありますが、中でも、現在、平城宮跡において進められております朱雀門・東院庭園の復元を記念したイベントは、国や県、民間とも協力して実施されると聞いております。どのような計画になっているのか、お伺いします。また姉妹都市・友好都市文化交流及び百歳都市交流のイベントの事業内容と、市制百周年記念事業の進捗状況についてもお聞かせください。 次に、教育の現状と課題について、数点教育長に質問いたします。この質問は、過日開かれました教育厚生委員会の席上で質問いたしました点と重複する面があろうと思いますが、よろしくお願いいたします。 本定例会の招集あいさつの中で、市長も触れられました月ケ瀬村で中学生の浦久保充代さんが殺害された事件は、犯人は逮捕されましたが、奈良市と隣接する隣村で起きた事件であるだけに、心の痛みと重圧を感じたのは、奈良市民全員であったろうと思います。それに追い打ちをかけるかごとく、神戸市で小学生殺害事件が起き、事もあろうに、被害者の近所に住む中学生が犯人として逮捕され、教育界にも大変ショッキングな事件が連続して発生しました。さらに、マスコミで報道されていますとおり、兵庫県、静岡県でも、中学生が自殺という手段でとうとい生命を絶っております。これらを踏まえて、文部省も、中教審も、一斉に心の教育の必要性を明確化するとともに、教育現場に努力を要請しております。 そこで、奈良市における心の教育について焦点を合わせて質問をさせていただきます。まず一点目は、心の教育を推し進めるべく、先生方の健康状況についてであります。本年六月に行われました先生方五千人を対象としたある種の実態調査によりますと、この一年間に、通院・入院・往診を含めて全然医療機関にはかからなかったと答えた先生方が一割に満たない九・五%、残りの九〇・五%が通院・入院・往診を、日数の差こそあれ、医者にかかっているという大変驚くべき調査結果が出ております。さらに、最近二、三カ月の自覚症状についての調査では、疲れやすいが、よくある・たまにあるを合わせると九五・二%という数値があらわれております。これをそのまま受けとめることはしないでも、現場の先生方の健康状態が大変気がかりであります。教育委員会としても、先生方の健康管理については努力を払っていただいているとは思いますが、どのような指導がなされてきたかについてお伺いいたします。 次に、先生方の心因性による病気についてであります。教育委員会としても、また現場の管理職の先生方も大変困っておられると聞き及んでいますが、どのような対応をされているのか、お伺いいたします。 次に、福祉教育の充実についてでありますが、高齢化社会の到来を踏まえて、思いやりの心を育てるために、いろいろな角度から福祉教育への取り組みがなされております。奈良市としても、福祉教育を充実するために、どのような努力が払われているかについてお伺いいたします。 次に、学校図書の充実と司書教諭の配置についてであります。六月三日に改正学校図書館法が成立いたしました。これによりますと、全国の十一学級以上の小・中・高等学校では、二〇〇二年までに司書教諭の配置が義務づけられる運びとなりました。 読書は、私たちの心の糧であるだけでなく、生きる力や考える力を与えてくれる大切な活動です。読書調査によれば、一カ月間に一冊も本を読まなかったと答えた小・中・高校生は、十年前と比べるといずれもふえているようです。特に中・高校生の比率が高く、中学生は一九八七年の四三・九%から九六年の五一・九%へ、高校生は五四・四%から六六・二%へと大幅にふえております。 過日、ニュージーランドの日本人学校に勤務している先生から私のもとに手紙が届き、チャートウエルという現地の小学校の読書教育のユニークな方法について紹介してくれました。毎日午前と午後に各一回、時刻は不定で、五年生の児童がかねを鳴らしながら校内を歩きます。各教室の児童は、たとえどんな授業中でも、避難訓練でもしているかのように席を立って学級文庫から本を取り出して読み始めます。読む姿勢や場所は自由です。日本の子供と同じように机に向かって読む子、フロアに座って、あるいは寝転んで読む子、机に座って読む子、ソファーに座って読む子など、全く自由です。先生に聞くと、読書はリラックスして読めればいいんです。どんなところで、どんな格好でもいいじゃないですかと言うわけです。その合理的な理由には、なるほどと、つい納得してしまいますと、ニュージーランドの読書風景を知らせてくれました。この方法が、よいか悪いか、また日本人の国民性には向く、向かないは別として、読書によって心に栄養が注入されることは間違いないと思います。 そこで、人・物・金のすべてが不足という三重苦の中で、二〇〇二年に向け、学校図書の充実と司書教諭の配置についてどのような計画がなされているかをお伺いします。 次に、青少年野外活動センターについてであります。奈良市の野外活動センターも、関係各位のお力添えにより、年々充実の一途をたどっておりますことに大変敬意を表しているところです。青少年の心の教育を推進する場として、野外活動は大切な役割を占めているところであります。森林資源に事欠かない奈良市の野外活動センターは、森林教育を推し進める上で、条件的にはすばらしいものを持っており、昆虫・植物の採集、シイタケ栽培等に多目的に利用し、青少年の五感に訴え、心の教育の対応の場となることを願っているところでございますが、その将来像と進捗状況についてお聞かせください。 次に、教員の民間企業への派遣研修についての考えをお伺いしたいと思います。近年、教員の採用試験官にですね、民間企業から任命する府県がふえてきました。また、お隣の大阪府では、先生方を一年間民間企業で研修をさせるといった試みがなされ、教育現場と企業の連携が図られております。平成八年度から、小・中・高等学校の教職経験十五年以上の先生方を、平成八年度は十名、九年度は十五名、期間は、四月から翌年三月末までの一年間に一社、もしくは六カ月単位として二社で、研修を積んでいるようです。平成八年度の実施経過は、目的を達成して好評を博しているようです。これは、企業から多くのことを学び、教育現場に不足するものを取り入れることで、研修に参加している先生方は視野を広げる結果となっています。教員の資質の向上がますます重要となる現状から、奈良市としても、県に先駆けて実践するお考えはないかについてお聞かせください。 次に、スクールカウンセラーについてであります。過日、平城西中学校へ立ち寄った際に、スクールカウンセラーの指定校が期限切れで設置できず、地域の要望から、存続するために、学校園活性化対策の中で細々と相談活動を続けているということでした。カウンセリングに携わっている先生も、報酬を半分にして頑張っていただいているようです。スクールカウンセラーが青少年の健全育成に大きな役割を果たす昨今、今後、奈良市では、充実についてどのようにお考えかをお伺いいたします。 教育問題の最後に、前段でも触れましたが、月ケ瀬中学校の浦久保さん殺害事件は、全国的にも大きな波紋を投げかけました。もし、事件が奈良市のどこで起こったとしても不思議ではないはずです。また、奈良市の東部地域は、月ケ瀬と似通った集落形成がなされてます。浦久保さんの死をむだにしないことが、浦久保さんの霊を慰めることにつながると考えます。そこで、あの事件を教訓として、どのような対応を考えておられるのか、お伺いいたします。 次に、水道事業について、水道局長にお尋ねします。まず一点目は、東部地域の水道整備についてであります。厚生省が二十一世紀に向けた水道整備の長期目標として定めた「ふれっしゅ水道計画」を基本方針とし、また奈良市の基本計画における施策の一環として、地域全体の振興及び活性化を図る、市民皆水道を目指し、未普及地域の解消と簡易水道の上水道化を図るため、平成三年度から事業を進めていただいております。この事業も平成八年度で六カ年が経過したわけですが、その間、地元調整を含め、事業の推進に努力をいただいておりますことはよく承知いたしております。井戸水や谷水を生活用水とされている、いわゆる水道が普及していない地域の住民は、この事業に大きな期待を寄せているところでございます。配水系統を精華系、平清水系、水間系の三ブロックに分けて実施されておりますが、このうち精華地域につきましては、本年四月一日から米谷簡易水道地域を含めた未普及地域への上水道の給水を開始されたところであり、地元の皆さん方は、大変喜んでおられると聞いております。他の未普及地域につきましても、一日も早い上水道の給水が望まれるところでございますが、東部地域水道整備事業の系統別の進捗状況についてお聞かせください。 次に、ライフラインの強化対策としての各配水池耐震弁類の設置についてでありますが、水道の水は言うまでもなく命の水であり、災害時のライフラインの確保は不可欠であります。水道施設の耐震対策は、適切な被害予測とそれに基づく予防策、災害発生直後の緊急対応、さらには、応急復旧から復旧が終わるまでの一連した流れの中で対策は講じられるべきであると考えられます。これまで、水道局として、被害予測のもと、一定の飲料水確保を最重点と位置づけ、市内各配水池の耐震性調査を実施し、配水池の安全性の確認と並行して、主要配水池に耐震弁類の設置を計画的に実施されていると聞いております。 そこで、お尋ねしますが、平成八年度までの耐震弁類の設置状況と今後の計画、さらに、すべてが完了したとき、飲料水確保を目標とした震災対策の配水池容量はどの程度になるのかをお聞かせください。 以上で私の一問は終わります。 ○議長(浅川清一君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 六番蔵之上議員の御質問にお答えをさせていただきます。 初めに、市制百周年記念事業の取り組み、特に朱雀門・東院庭園復原記念事業、姉妹都市・友好都市交流、そして百歳都市交流についてでありますが、市制百周年記念事業は、市制百周年という大きな歴史の節目において、本市の歴史を顧み、先人の業績に感謝するとともに、市民とともに魅力ある新しい奈良市を築いていく出発点でなければならないと考えております。したがいまして、記念事業の実施に際しては、市民がこぞって奈良市の百周年記念事業に参画していただき、市民参加の百周年にしてまいりたいと思っているところでございます。 御質問の朱雀門・東院庭園復原記念事業は、国・県・市・民間団体が協力して、平成十年四月十七日から十日間にわたって実施いたします。事業の内容につきましては、記念式典、記念催事と平城宮跡の出土品等の展示を計画いたしております。なお、この展示につきましては、引き続き「なら平城京展'98」として福岡、東京においても計画をいたしております。 また、姉妹都市・友好都市文化交流につきましては、市民ホール完成後に、国内外の姉妹都市、友好都市との文化交流を図るイベントを実施いたしたいと存じております。 次に、百歳都市交流についてでございますが、平成十年に市制百周年を迎える奈良市、尾道、青森市、大津市の四市が相互協力し合い、芸能交流等を実施してまいりたいと思っております。ちなみに、全国六百七十市の中で、奈良市が百周年を迎えるというのは、四十五番目ということでございます。 いずれにいたしましても、市制百周年記念事業は、市内の各種団体等の協力も得て、市民と一体となって実施してまいりたいと考えています。 次に、市制百周年記念事業の進捗状況についてでございますが、平成九年二月十九日開催の奈良市制百周年記念事業実行委員会におきまして、基本計画の承認をいただき、企画建設委員会に御報告させていただきました事業内容をもって計画を進めているところであります。この基本計画をもとに、各関係機関と調整を図りながら、今般、実施計画書を策定し、さらにこの実施計画により、事業経費の算定等を行っているところでもございます。そのほかに気軽にコンサートなり演奏なりできるような、街角やまちの広場で実施できることも考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 教育長。
    ◎教育長(河合利一君) お答えをいたします。 まず初めに、教職員の健康管理について、その中で、教育委員会としてどのように対応し、指導しているかということでございますけども、教職員の健康管理に万全を期するために、定期健康診査を、毎年、奈良市総合医療検査センターにおきまして実施をいたしてございます。受診項目につきましては、従来の聴力検査を初め、十二項目であったものを、平成六年度には、糖尿病検査、腎機能検査、痛風検査を加えた十五項目に、また平成七年度には、さらに眼底検査、さらに平成八年度には、大腸がん検査を加え、現在十七項目にふやし、その内容の充実を図っているところでございます。 その受診率についてでございますけども、平成七年度は七四・三%、平成八年度は六七・九%、本年度は八月末現在で六四%となってございます。今後、より受診率を高めるため、各学校を通じまして、必ず受診し、健康維持に努めるよう指導してまいりたいと、このように考えてございます。 次に、教員の心因性の病気に対して、教育委員会として、どのような対応をしているかということでございますけども、御指摘のように、近年、特に、教員の心の健康の問題への対応が大変重要な課題となっております。教員は、日常的に児童・生徒に直接接する立場にあり、その健康状態は、児童・生徒の教育に大きな影響を与えるものでございます。したがいまして、学校での管理職は、日ごろからの目配り・気配りで各教員の悩みに気づき、適切な相談・助言ができるよう指導しているところでございます。また、必要に応じて、教育委員会にございます少年指導センターで、専門のカウンセラーがその対応に当たっている状況でございます。 次に、本市の福祉教育への取り組みについてでございますけども、豊かな心をはぐくむ教育を推し進めるための一つは、道徳教育の充実であり、他はボランティア教育の推進でございます。本市では、昨年に引き続き福祉教育を実施し、本年も小学校五年、六年生を対象に福祉副読本「わたしたちにできること」を編集し、交付をいたしてございます。人間としてのあり方を自覚させているところでございます。今後も、この心の教育を本市教育の重点施策項目に位置づけ、推進してまいりたいと、このように考えてございます。 次に、学校図書の充実と司書教諭の配置についてでございますけども、学校図書の充実につきましては、子供たちの読書意欲を高めるためにも、学校図書の充実を毎年図っているところでございます。今年も、引き続き、通常の図書経費以外に、別枠で、小学校、中学校全体でそれぞれ一千万円ずつの予算措置をいたしているところでございます。 また、司書教諭の配置についてでございますけども、学校図書館法の一部が、御指摘のように、平成九年六月に改正されまして、学校図書館の専門的職務をつかさどる司書教諭を置かねばならないということになってございます。また、その司書教諭も、教諭をもって充てることになってございます。しかしながら、司書教諭は、別枠として配置されるのではなくて、一般教諭と兼務することになってございます。したがいまして、義務設置の期日までに、教諭の中で司書教諭講習で資格が修得できるように、各学校に対しまして、その便宜を図るよう指導しているところでございます。 次に、青少年野外活動センターの今後の整備見通しについてでございますけども、本市の青少年野外活動センターの整備事業は国及び県の補助事業であります生活環境保全林整備事業として、平成八年度から着工いたしてございます。これまで管理車道の整備を進めてまいりましたが、引き続き防火池の設置、あるいはまた森林の造成、管理歩道の設置を行い、平成十年度の完成を目指しているところでございます。その後、東部の上・下水道計画にのっとり、整備を図ってまいりたいと、このように考えてございます。 次に、教員の民間企業への派遣研修についてでございますけども、企業での研修は教職員の視野を広め、資質を向上する意味で大変意義深いものであるというふうに考えてございます。また、現実の社会の動きを見掘え、子供たちの個性や自主性を尊重しながら、生きる力をはぐくむ教育を実現するためにも、教職員の研修の見直しも一層考えていかねばならないというふうに思ってございます。具体的には、文部省、県教育委員会の動きを見きわめながら慎重に進めてまいりたいと、このように思ってございます。 次に、スクールカウンセラーの活用推進事業についてでございますけども、文部省のスクールカウンセラー活用調査研究事業として、平成七年度、八年度に御指摘の平城西中学校、それから平成八年度、九年度に三笠中学校に指定研究校として委託をされました。また、奈良市におきましては、平成八年度より市独自の調査研究事業として、中学校二校に二名のカウンセラーを配置し、実施をいたしてございます。いじめや不登校で悩む児童・生徒、保護者、さらには教員のカウンセリングを実施し、問題の早期発見、早期治療は無論のこと、心の居場所としての役割を十分果たしているという報告を教育委員会は受けてございます。来年度に向けて、実施の経過をよく見きわめながら、悩みを持つ児童・生徒や保護者に、より効果的な支援ができますよう、今後も継続して実施していきたいと、このように考えてございます。 それから、月ケ瀬中学校の事件を、今後どのように教訓として生かしていくかということでございますけども、のどかな山村で起きた今回の事件は、とりわけ弱い立場の女子中学生が被害者となる凶悪事件で、教育関係者にとりましては大変大きな衝撃を受けたところでございます。したがいまして、再発防止に向けて、子供たちが自分の安全を守る能力を身につけさせる取り組みや、日ごろから地域の安全対策に向けての情報ネットワークづくりに努め、園児・児童・生徒の安全管理や安全対策に万全を期することの大切さを今回の事件で痛感いたした次第でございます。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 水道局長。 ◎水道局長(辻谷清和君) 蔵之上議員の御質問にお答えをいたします。 一点目の東部地域等水道整備事業の系統別の進捗状況についてでございますが、東部地域等水道整備事業は面積的に見ても、また流域的にも大変広範囲であるところから、配水系統を三ブロックに分けて、平成三年度より事業を実施いたしております。 まず、精華系につきましては、御質問にもございましたとおり、すべての事業が完成いたしましたので、本年四月一日より供用開始をいたしております。残る平清水系、水間系の二系統の平成八年度末の進捗状況でございますが、平清水系は、送・配水管布設及びポンプ棟ニカ所を施工いたしまして、その進捗率は約一九%でございます。また、水間系につきましては、送・配水管布設工事の施行等で進捗率は約一二%となっております。東部事業全体の進捗率といたしましては約二八%でございます。なお、現在施行いたしております本年度事業を含めますと、平成九年度末の全体の進捗率は約四〇%となる予定でございます。 次に、ライフライン強化対策としての配水池の耐震弁類の設置についてでございますが、御承知いただいてますとおり、各配水池耐震弁類は、災害時の流出を防止し、応急水源確保を目的として設置を進めているものであります。市内各配水池の耐震性につきましては、既に構造上等、技術的に調査・確認をいたしており、耐震弁類を完備することにより、ライフラインの強化が図れる状況となっております。 そこで、平成八年度までに、市内の千立方メートル以上の主要配水池二十二池のうち十四池に耐震弁類を設置いたしております。残る八池についての今後の計画でございますが、本年度施行として四池、平成十年度の計画として四池を予定いたしております。これがすべて完了いたしますと、震災対策配水池容量として、約五万五千立方メートルの応急水源の確保ができることとなります。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 蔵之上君。 ◆六番(蔵之上政春君) 二問目は自席より質問させていただきます。 要望がほとんどになろうかと思います。その中で、お答えしていただく面がございましたら、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 市制百周年記念事業の取り組みについて、御回答いただきました。市制百周年に、議員として市政に参画できる喜びを改めて感じている私です。市制百周年記念事業の成功に向けて、企画課はもちろんのこと、市の職員が一致して取り組んでおられることに大変敬意を表しているところです。市制百周年は、先ほど市長も言われたとおり、青森市、尾道市、そして大津市も実施されるやに問いておりますが、奈良市が先陣を切って取り組むわけで、三つの市も、奈良市の記念事業には、大きな関心を寄せていることと思います。千年の古都、悠久の古都と、日本人は申すに及ばず、諸外国まで奈良市を賛美してくれております。是が非でも記念式典を大成功に終わらせる必要があろうかと考えます。 私は、友達が徳島におりまして、一カ月前ですが、本場徳島の阿波踊を鑑賞する機会がございました。徳島市民がこの大きな年中行事にかけている心意気、熱気、そういうものを感じて帰ってまいりました。奈良市民も百周年記念に完全燃焼してほしいと、こう思います。奈良市民を完全燃焼させるためには、市長、市職員は無論のこと、我々市議団も議長、副議長を先頭に、全面的に協力体制で進めなければならないと、こう思っております。 記念事業も半年余りに迫ってまいりました。市民参加で燃える百周年は次の代の子供たちが生きる、その大きな贈り物となると確信しております。市民ホールの完成も急いでいただきたい、こういうことを思うわけで、市民、ひとつ結集して、成功裏に終わっていただきたい。これは、私のお願いでございます。 次に、教育長には、教育厚生委員としての職務柄と申しますか、現在の教育の最も大切な指針としての心の教育についての細かい点について、質問させていただきました。ありがとうございました。 まず、一点目の教職員の健康管理について、受診項目をふやして、内容の充実に努めていただいておりますことを、感謝申し上げたいと思います。実態調査では、疲れやすいと答えた先生方が九五・二%、これは、奈良市の実態じゃございませんので、奈良市は、また変わってくるかと思いますが、受診率が、奈良市の場合ですね、先ほどのお話では六〇から七〇%。九〇%の先生方が疲れてるんだということになれば、ひとつ九〇%を目指して、受診率一〇〇%はいかなくとも、九〇%を目指して努力していただきたいと思います。結局、できればですね、年一回--強制でしたら大変だと思うんですけれども、誕生日の月に受けよというような提案をされたらどうでしょうか。誕生日の月には必ず行きなさいよということで。これは、私の提案でございますが。 その次に、月ケ瀬事件でございますが、大変、月ケ瀬の中学校の校長、教頭と、奈良市内の学校で私一緒に勤務して、同じ学年を、苦労しながらその時を過ごしたわけでございますので、何とかかまの飯を一緒に食ったんだから、心労をどうしたら和らげてやることができるのかと、悩み通しでまいりました。以前の、いつだったかちょっと記憶、忘れましたけれども、教育厚生委員会で提案しました、奈良市東部--柳生、大柳生、田原、東里、狭川、そこらとですね、山添、月ケ瀬を含めた情報交換の場を設けていただいて、生徒指導の先生、それだけじゃなくて、地域の、できたら連合会長というのか、地域のそういう連合会長、またその地域に、いろんな犯罪の中心に携わっている警察等を含めて、寄って話し合うと、そういうことを、奈良市がイニシアチブをとるというようなことをやっていただいてはどうだろうかと思っておるわけでございます。 次に、野外活動センターについて、奈良市の青少年に完成された施設での宿泊訓練も必要でしょうけれども、山の中で二、三日ぐらいは、現在の消費文化から離れて、野生的な生活を体験する場となることも考えられたらどうかと思うんです。 例えばですね、埼玉県の小学校で、生まれたばかりの子ウサギを、若い先生が、子供たちの前で生き埋めにしてしまうという事件がありました。本当に子供たちの心を傷つけた場合があったと。そしてまた、鹿児島県のことでしたかね、教頭が同じ事件を起こしたと。心の教育を推し進めるのに当たっては、こういうことはあってはならないことだと思います。 今、山野を歩きますと、セミがころんと死んでます、隅っこの方にね、死んで死骸を見せてることがありますけれども、野外でそういったものを見、命の大事さ、生命のとうとさ、セミヘの思いやり、そういう心も育てる場があろうかと思うわけでございます。多目的に活用する場として、平成十年の青少年野外活動センターの完成に期待を寄せております。 それから、学校図書館でございます。小・中・高の中で、幸いにして、小学校の読書傾向のマイナス化がやや歯どめをかけてきた。小学校の生徒が、やや読書に、こう意欲を示してきたようになって、横ばいになっているということでございます。 奈良県の教育委員会が実施します読書感想文のコンクールを見て、奈良市の小学校の生徒が、中学校の生徒、高等学校の生徒が、名前載ってですね、一位入賞、二位入賞ちゅうようなことを書いてあったときに、ああいいなと、こういう気持ちを持つわけでございます。 いい本との出会いをさせるために、学校図書館の充実に努力を払っていただくことを要望しておきます。 その次に、福祉教育の充実については、福祉行政に精通しておられた教育長、心の教育は、福祉教育を推し進めることによって養われるというお考えですので、私も、もっともだと考えております。よろしくお願いします。 最後になりましたが、スクールカウンセラーの配置についてであります。多くの学校を、できるだけ配置していったらええなという考え方も、それはあると思うんですが、現在の教育の課題である登校拒否とかいじめの解決、二年間でそろそろ効果が出てきたころに打ち切りでは、ちょっとどうかと思うんです。市で、お金かかるわけでございますけれども、二十一世紀の子供たち、何とか悩んでいる子供たちを救うとすれば、予算化を行って、続行していただきたいなと、これは私の願いでございます。教育問題については以上です。 次に、水道局長にいろいろ御苦労いただいております。東部地域に莫大なお金を投じていただいている。市民皆水道を目指して、日夜御努力をいただいております。東部では、森林を守り、一生懸命育てて、水を守ってまいりました。そういうことで、ひとつ莫大な金を投じていただいておりますが、よろしくお願いしたいなと。 東部の水道事業の進捗率が、現在、約二八%、平成九年度を終わっても四〇%ということを伺いました。東部の市民は、平成十二年の末になったら、水道栓をひねって喜べるんじゃないかと思っておりましたが、物理的に、平成十二年度完成というのはちょっとしんどいんじゃなかろうかと、こう思います。いかがでしょうかね。 過日、晴天が二十日間ほど続きました。そのときに、私は、耕運機に水のタンクを乗せて一生懸命ゴルフ場から水をもらって運んでいる奈良市民です、これを見かけて話をしたんです。井戸水がかれて、飲料水にも事欠き、ふろの水をゴルフ場からもらっているということです。ふろも二日置き、一度使ったものを次の日も使おうといった生活を余儀なくされている。 総力を挙げて、東部の人々が待ち望んでいる水道の完成をお願いしたいと思います。ちょうど、この野外活動の完成にも拍車をかけると、こう思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 長々となりましたが、二問目は終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(浅川清一君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後二時二十二分 休憩  午後三時三分 再開 ○議長(浅川清一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。---------------------------------- ○議長(浅川清一君) 代表質問を続行いたします。 三十六番横田君。  (三十六番 横田利孝君 登壇) ◆三十六番(横田利孝君) 私は、日本共産党奈良市会議員団を代表して、通告いたしております数点についてお尋ねいたします。 まず最初に、世界遺産登録とユネスコ世界遺産センターアジア事務所誘致についてお尋ねをいたします。奈良市は、一昨年の十一月、奈良の自然と文化遺産をユネスコの世界遺産リストヘ登録することを決定し、文化庁と県知事に申し入れるとともに、昨年四月より市に世界遺産登録推進室を設置し、登録すべき物件の選定や、その基礎資料の作成に取り組んできました。一方、三月議会で行われた全会一致の意見書の採択は、この課題の実現を目指す私たちの強い意思を内外に示すものとなり、こうして四月十八日には、文化庁による奈良の自然と文化遺産の世界遺産推薦の決定がなされました。そして、それを受けた政府のユネスコ世界遺産センターヘの推薦書の提出が実現いたしました。 その後も、奈良市では、行政や市民サイドによる登録の実現に向けた取り組みが引き続き進められています。七月十九日には、奈良市主催のシンポジウムが行われ、大成功をおさめました。また、市民レベルでは、三月に組織された、奈良の文化と自然の世界遺産登録を実現し、保全・継承を求める市民ネットワーク準備会が、奈良の世界遺産を十コースに分けて、一年かけて、一コース二回で合計二十回見て歩くという企画で、世界遺産を歩く会が取り組まれてきました。また、市民ネットワークでは、八月九日に鼓阪小学校で、平城京以来、千三百年にわたって奈良の寺院の屋根がわらを飾ってきた鬼がわらを子供たちがつくるという実験考古学「みんなで学ぼう世界遺産、奈良子供の集い」を開きました。この集いには、小学生五十人を含め、親子合わせて九十人余りが参加しました。約三時間かけてつくった作品は、瓦宇さんで二週間かけて乾燥させた後、一週間かけて焼き、九月六日に参加者に届けられました。この取り組みに協力していただいた瓦宇さんは、我々の仕事が子供たちに理解され、奈良の文化財の大切さを知ってもらえるいい機会になったと大変喜んでおられます。市民ネットワークでは、来年一月の冬休みには、今度は墨と木簡づくりに挑戦するそうであります。そのほかにも夏の夜空にライトアップされた世界遺産を見て歩こうと、タ涼みの会が催されるなど、多彩な取り組みが展開されてきています。これらの催しには、奈良市内や県内各地はもとより、京都、大阪、兵庫の近県や、遠くは関東や九州方面からも参加者があります。市民ネットワーク準備会では、この秋ごろにこうした市民の熱い思いをユネスコに届けるため、世界遺産登録を求める署名運動に取り組もうなどと話し合われています。 こうした世界遺産登録に向けた奈良での取り組みに対して、一足先に登録が行われた京都では、関係者の間から奈良はうらやましい、奈良からもっと学ぶべきだといった声が出されています。我が党は、登録を目指す思想、信条、党派を超えた共同の取り組みと、市民の理解を広げるための運動の盛り上がりこそ登録を実現させる力であり、それはまた登録後の世界遺産の保全・継承にとっても大変重要なものだと考えています。 そこで、市民の一層の理解を広げるための奈良市の今後の取り組みについて、どうなっているのか、市長にお尋ねをしたいと思います。 次に、文化財と周辺の環境保全の問題についてお尋ねいたします。先日、ある知人宅で自作の川柳を見せてもらいました。その中に、初の入選作で「寺」と題する次のようなものがありました。「大都会 ビルの谷間の 寺の屋根」。お隣の京都では、有名な寺院が一足先に世界遺産に登録されています。しかし、この川柳を見て、私は最近の京都をふと思い浮かべました。戦艦大和やベルリンの壁を連想させる巨大な駅ビルやマンションで、古都千年の京都がだんだん見えにくくなってきているような気がしてなりません。 ところで、このたび政府がユネスコの世界遺産センターに登録申請をした奈良の資産の範囲は、既に明らかなように平城宮跡、春日山原始林、東大寺、興福寺などの八資産群からなり、その中には国宝二十五棟、重要文化財五十三棟、合計七十八棟の建造物群が含まれています。そして、その面積は、資産本体の面積が六百十六・九ヘクタール、緩衝地帯の面積が千九百六十二・五ヘクタール、歴史的環境調整地域の面積が五百三十九・〇ヘクタールとなっており、これらを合計しますと三千百十八・四ヘクタールにもなります。五月二十六日に開かれた衆議院決算委員会で、我が党の辻 第一衆議院議員の質問に対し、小野元之前文化庁次長は、この歴史的環境調整地域について、推薦資産本体を保護するため、その周辺地域に緩衝地帯--つまりバッファーゾーン、これを設けているが、八つの推薦資産を一体のものとしてとらえ、つまり面としてということですが、一体のものとしてとらえ、推薦するために歴史的環境調整地域を設定した。つまり、コアゾーン--核があって、その周りが緩衝地帯、その緩衝地帯が幾つかに散らばってるのを、これを一つのものとして、面としてとらえるために、その間にいわゆる歴史的環境調整地域というのをこしらえたと、こういうことであります。文化庁次長は、歴史的環境地域を設定した意義について、これは全体としてこれらの資産群を重層的に保護していこうという考えであると答弁しています。また、小杉隆文部大臣もこの問題について、本体を守るためにはその周辺を一体として守らなければ、なかなかその地域の保全ということはできにくいということから、こういう調整地域というような発想で、これはユネスコの世界遺産センターの方でもそういう意向で、一体として保護するという考え方であると答えています。 七月十九日、奈良市が主催いたしましたシンポジウムでも、パネリストの先生方から、遺産の継承に水田など周囲の環境がいかに大切かといったことや、転害門や法華寺の集落など、今のうちに町並み保存の手を打った方がよいといった、いわゆる周辺の環境保全の重要性を訴える発言がありました。大川市長は、今回の歴史的環境調整地域設定の意義や、文化財保存と周囲の環境保全の重要性などについて、どのような所見を持っておられるのか、お尋ねいたします。 また、私は、奈良市の都市景観形成地区の見直し、指定地区の先ほど紹介した地域への拡大などを具体的に検討していくべきだと考えますが、その必要性についてもどう考えておられるのか、政府の答弁を踏まえた市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。 次に、文化財保存の問題でお尋ねします。六月十五日付奈良新聞に次のような報道がありました。「興福寺塔頭だった民家、文化施設に活用へ奈良市。取り壊されたらもったいない…」こういうタイトルで載っていました。少し紹介いたします。 奈良市はこのほど、興福寺の塔頭だったと見られる奈良市高畑町の民家と土地を購入した。売りに出されていたもので、市の文化施設として活用しようというねらい。この民家は奈良公園の浮見堂に近いなど環境に恵まれており、市は文化財的な価値を調査した上で、建物や庭園を生かした活用方法を考える。同じ興福寺の塔頭を活用した文化関係の施設では、旧世尊院を利用した県の宿泊・研修施設、国際奈良学セミナーハウスや、跡地を利用した市の名勝大乗院庭園文化館がある。文化振興課によると、具体的な活用方法は「白紙の状態」。庁内か、有識者による委員会で検討していくが、美術館などの意見も出ているという、こういう内容であります。 私は、文化財保存に対する奈良市の取り組みを見ておりまして、今のうちに残せるものは残していこうと、こういう思いを強く感じることがあります。そのことは、我が党も大変重要なことだと、このように考えています。かつて興福寺境内に存在した塔頭は、百八十とも二百とも言われ、その一つ一つに五人ずつぐらい僧侶がいたわけですから、興福寺が東大寺などとともにいかに強大な勢力を誇っていたかということがうかがい知れるわけであります。それらが明治の廃仏毀釈で、一夜にして破壊し尽くされてしまいました。その中で、奇跡的に残って、当時の姿をとどめているのが、先ほどの新聞報道にもありましたように、この最勝院と旧世尊院を活用した県の国際奈良学セミナーハウスであります。 そこで、大川市長にお尋ねします。奈良市はこの塔頭跡、最勝院のこの建物、これを今後どのように保存し、また活用されるつもりなのか、お尋ねをしたいと思います。 次に、これに関連して、いま一つ市長にお尋ねをいたします。奈良市の旧市街地は、平城京から都が京都に移った後に、建物跡はそのまま地下に埋もれますが、それにかわって春日大社周辺の東大寺、興福寺など、社寺の周りに中世都市が形成されます。これが南都と呼ばれたところであります。これまで奈良市がならまちとして整備に力を入れてこられたのは、その中の南側、つまり興福寺周辺でありますが、南都の北側、東大寺周辺はどうなっているのかという声がやはり各方面から聞かれます。南都の北側、東大寺周辺は、平重衡の有名な南都攻めや、転害門を挟んで直接対決した三好・松永の戦いなど歴史の舞台となったところで、南都もうでの街道筋としても栄え、旧街道筋には歴史を語りかける名所旧跡が数多く残っており、当時の面影を今に伝えています。このたびの国宝転害門を含む東大寺や正倉院の世界遺産登録も視野に入れて、これら北側の地域の整備、周辺整備にも力を入れる必要があるのではないか、このように考えるわけですが、市長の考えをお尋ねします。 この問題の最後に、ユネスコ世界文化遺産センターアジア事務所の奈良市への誘致についてお尋ねします。市長は、アジア事務所の奈良市への誘致に積極的な姿勢を示しておられますが、県との話し合いはその後どのように進んでいるのか。また、市長は常々、奈良市に誘致する場合、奈良国立文化財研究所の近くの平城宮跡周辺ということを言っておられますが、市長は、なぜ平城宮跡のそばとお考えなのか、その理由についてお尋ねをしたいと思います。 次に、文化財防火と市の消防活動の強化についてお尋ねします。六月二十七日付奈良新聞に「ホース抱え山道疾走 春日山原始林で火災訓練 『世界の宝』後世へ」こういう見出しで、二十六日奈良市消防本部東消防署の署員約七十人が、春日山原始林内で林野火災訓練を行ったことが報道されていました。奈良市の防火活動の目的・対象が、三十七万市民の生命と財産を守ることにあることは言うまでもありませんが、いま一つはかけがえのない奈良の自然と文化財を守ることにあること、それは出初め式の訓示などで絶えず強調されているところであります。そして、今、奈良市が、それらを人類共有の財産として、世界遺産登録を目指しているという状況のもとで、そのことは一層重要になってきていると思います。この記事の中で、林消防長が「都市に隣接した原始林は、世界でも他に類を見ない。今回の反省を生かし、いざという時に設備や装置を使いこなせるような実りある訓練として今後に役立ててほしい」こういう激励を送ったというようにありました。このたび、日本で初めて文化的景観として世界遺産委員会に申請された春日山原始林は、昭和五十三年六月三日に一度火事を起こしています。そのため、翌年から、地獄谷新池から送水する配水管布設工事がやられました。 そこで、市長にお尋ねします。このたびの春日山原始林内での訓練を通じて、反省点や今後の防火対策に生かそうと考えておられる教訓などについて、お聞かせいただきたいと思います。 次に、東大寺の総合防災事業についてお尋ねします。この事業は、文化庁建造物課技官でありました半澤重信先生の直接の指導のもとに、奈良市消防本部が、昭和六十三年七月十五日、東大寺総合防災施設の整備拡充についての指示というのを出しました。国の補助を受けて実施されてきたものであります。当初の事業は二十五億円規模の五カ年計画でしたが、その後、総合司令室の設置なども追加され、事業費、工事期間とも大幅に変更されてきていますが、事業の進捗状況及び完成のめどについてお尋ねいたします。 次に、五月二十九日未明、国宝東大寺転害門から西三百メートル余りの東包永町で、工場、民家合わせて十二棟、約二千三百平米が全焼するという大火災が発生しましたが、この火災の問題について、少しお尋ねしたいと思います。この件につきましては、既に六月議会の質問でも取り上げられていますので、重複を避けたいと思いますが、私が同町の知人の知らせで現場に駆けつけ、そして一緒に立ち会ったという点から幾つか感じた点についてお尋ねしたいと思います。私が現場に駆けつけたのは、十二時五十分過ぎであったと思います。既に消防隊が駆けつけて消火活動を始めていました。火は既に工場だけでなく周辺の民家にも燃え広がり、そのうち前市議会議員の尾谷 進さんの家にも火が回り、火の勢いも強く、どうすることもできないまま全焼してしまいました。あのときの火災の状況は、規模は小さいものの、阪神大震災時の火災を連想させるもので、火が一応鎮火した後、周辺を一回りして、私が自宅に帰ったのは、四時をとっくに過ぎていました。この日は全くの無風状態であったため、火元となった工場主の敷地のみの火災でとどまったものの、強い風でもあれば、恐ろしい大火になっていたのではと思いますと、風がなかったのは本当に不幸中の幸いだったと思います。 そこで、現場に立ち会って感じた点、お尋ねしたいと思います。その第一は、消火活動の問題です。火災の状況は、六月議会で消防長が答弁されているように、最初の消防車が到着したときは、既に工場は火災に包まれ、類焼も始まっていたと思われます。そして、それがさらに広がっていきました。それに対する消火活動は、かなりの消火栓を使って放水していましたが、水の勢いが弱く、時々共倒れ現象などのような状態も目にしました。一度にこれだけの消火栓を使うと、そういう現象が起きるのはやむを得ないのかなと想像がつくように思うわけですが、私は、とっさに、自然水利はどうなっているのかと思い、百メートル北側の若草公民館の敷地の防火水槽や、その二十メートル北側を流れる佐保川の力を確認しました。この若草公民館の防火水槽には、最近、消防署が、車を駐車しないように鎖で囲いをして、水槽を確保しています。また、三百メートル東の転害門の前にも地下の防火水槽があります。自然水利は、思い切って水を出して、一挙に火災を鎮圧することができます。これに対して、消火栓は、一度に使うと水圧が下がり、しばしば共倒れ現象を起こすことがあると言われています。したがって、消火栓の数で包囲されているからといって、必ずしも万全とは言えない。そのため、第一出動の部隊の先着部隊は、最も火災に近い直近の消火栓を使って消火に当たるのに対し、第二、第三の後続の後着部隊は、火点包囲体制をとるのが原則で、そのため一度に多量の放水のできる自然水利を求めるというのが、消火の基本戦術だと伺っています。 そのため、私が住んでいる周辺で起きた火災を見ましても、例えば昭和六十二年三月の東大寺二月堂中性院の火災の場合には、西側直近の池が有効な自然水利となっており、六十二年四月の雑司町の火災には、正倉院の防火水槽が使われ、また六十三年五月の川上東町の火災には、佐保川の水がやはり自然水利として使われています。 そこで、大川市長にお尋ねいたします。自然水利の活用について、どのような見解をお持ちなのか、お尋ねいたします。また、市の消防本部では、以前は消火栓の状況や池、プール、河川等の水量確認など、水利調査を月一回定期的に実施していたと伺っていますが、現在はそれはどうなっているのか、お尋ねいたします。 第二の問題は、現場の指揮本部の問題です。今回のような一定規模以上の広い範囲の火災の場合、全局面を見渡せる位置から指揮をしないと、なかなか効果的な消火活動を指揮することは難しいのではないかと感じました。私は、今回のような場合は、例えば関西電力の二つ折りになる作業車のようなものでもいいんじゃないかと思うんですが、指揮する台が設置できて、全体が見渡せる高いところから指揮できるような、そういう工夫をする必要があるのではないかと思います。この点についての市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 第三に、奈良市が、平成八年三月十二日に導入した最新の消防通信指令総合システムについてお尋ねします。この新装置によりますと、一一九番への火災など、災害の通報は受け付けから火災地点への出動までが、一連の作業としてコンピューター制御により行われ、またそれらの行動が時刻とともに明確に秒単位で記録されると伺っていますが、最初の通報から出動指令に至る行動がどのように行われ、また記録されてくるのか、一連のシステムについて、簡潔に御説明いただきたいと思います。 なお、それに関連して一つお尋ねします。火災など予期せぬ災害の場合、往々にしてお互いに慌てているため、いろいろ認識にずれが起こってきます。例えば、第一通報者の通報時刻の認識と消防本部でキャッチされ、記録された、そして発表した時刻との間にもかなりのずれが生じることがあります。我が党は、そうしたときに大切なことは、そうした認識のずれや誤解をそのまま放置せず、疑問や不審を残さないためにも食い違いの解消の努力を迅速に進めることが、市民の協力のもとに火災のない安全なまちづくりを進める上で、欠かせない大切な問題であると考えています。今回の場合でも、人命救助などさまざまな市民の協力がなされました。私は、市民の理解と協力なくして、効果的な消火活動の展開は望めないと考えます。今回の東包永の火災の場合も、若干そうした認識のずれが生じたようですが、それに対する消防本部の対応や考え方についてお尋ねしたいと思います。 次に、東部地域の問題についてお尋ねします。奈良市の東部地域は、奈良市域の四三%を占め、その大部分が美しい緑で覆われた奈良の奥座敷であります。この地域の豊かな樹木は、災害時には土石流を防ぎ、雨水を蓄え、洪水を防ぐとともに、水源を涵養し、渇水時にも絶えず一定の水を供給し、いわゆる緑のダムの役割を果たしています。そしてまた、市民の大切な水源流域を優しく保護しているということができると思います。また、市民に絶えず新鮮な空気を供給し、その緑によって安らぎを与えています。また、この地域は、さきの世界遺産登録の対象となっている東大寺や春日大社、春日山原始林を取り巻くバッファーゾーンとも連なっていて、鹿野園、忍辱山、大慈山、誓多林、菩提山などの地名は、天竺でお釈迦様が修行した仏教の聖地の名をつけたものと言われています。我が党は、剣聖の地柳生や、太安万侶の墓のある田原なども含め、歴史的風土と奈良の美しい歴史的景観の構成要素を兼ね備えた東部地域を全体として、産業廃棄物の不法・無謀な投棄、埋め立てや、またゴルフ場建設などによる自然の大規模な破壊から守らなければならないと考えています。 我が党は、そうした立場から、平成三年九月議会に上程された中国文化村の建設やゴルフ場建設、民間による開発促進を内容とする東部の大規模開発に関する基本方針についても、反対をしてまいりました。我が党は、東部地域に対して当然のこととして、そこに住んでおられる住民の行政水準を、市街地区住民と同じ水準に引き上げること、そのために道路や上・下水道の整備については、積極的に進める必要があると考えています。同時に、そのことがこの地域での乱開発の突破口になってはならないとも考えています。この地域の森林・樹木の果たしている役割を考えるなら、開発を基本的に抑制すべきであるというのが、我が党の基本的な立場であります。そして、農林業の振興と森林・樹木の保全を重視し、東部地域の歴史的風土と自然を積極的に活用した地域振興策を、地域住民はもとより、広く学者や研究者などの協力も得ながら具体化していくべきだと考えますが、市長の考えをお尋ねします。 さて、八月二十日、日本画家の上村淳之さんなどが代表を務める、いわゆる県内の芸術家、医師、事業家らでつくっている市民団体--まほろば会議が、環境基本条例の制定を目指している奈良市に対し、提言書を提出いたしました。八月二十二日付奈良新聞によりますと、提言では、多くの文化遺産や豊かな自然に恵まれた奈良市の環境を、後世に引き継ぐには、教育、生活、意識の改革が必要で、奈良を地球環境を守る発信基地にと訴えています。そのため、自然環境、生態系を破壊する行為にくみしないことなど、六つの基本的理念を掲げ、具体的には環境に開するデータ、調査、資料、数値の全公開、安全な上水道のための森林土壌の守り手の確保、大量の樹木伐採を伴うゴルフ場建設、大規模宅地開発の規制など、十六項目を要望したと報道されています。一方、奈良市は同条例制定に向けた市民からの意見を募っていくということを伺っていますが、奈良市は市民の声をどのように今後くみ上げていこうと考えておられるのか。また、まほろば会議や市民の意見を、条例や今後の行政施策に積極的に取り入れていく用意があるのかどうか、市長にお尋ねをしたいと思います。 次に、地域防災計画と災害対策について、若干お尋ねをいたします。奈良市は、このほど阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、防災計画の見直しを行いました。それによりますと、想定地震の設定が、奈良市の中心を通り、市域で被害が最も大きくなると予想される奈良阪撓曲・高樋断層の一部に連たる断層系でマグニチュード七・一の地震が発生した場合を想定しています。その内容は、被害想定は、建物被害が全壊九千五百棟、半壊二万一千六百棟、計三万一千百棟、火災被害は一万棟。人的被害、死者千六百人、負傷者六千七百人、救急搬送者二千二百人、避難者数六万八百人となっています。 そこで、私は、この防災計画に関連して、桐木助役に二、三お尋ねをいたしたいと思います。まず第一に、北から南に向かって、先ほど申しました、走っている奈良阪撓曲・高樋断層、これに東から国道三百六十九号線の南側沿い、佐保川沿いに西に向かって走っている鬼ヶ辻断層、つまり上が北としますと奈良阪撓曲、そして高樋断層がこの下に連なると。これに対して、三六九の南側沿い、佐保川沿いに東から西に向かって走っている鬼ヶ辻断層。この直角にぶつかるこの南側の角、つまり場所で言いますと、ちょうど三笠温泉を中心にした三笠温泉のあたりになるわけであります。この三笠温泉を中心に北は佐保川沿いに、南は若草山ドライブウエー、そして西は川上町の一帯と。この地域が、いわゆる建設大臣指定の地すべり防止区域となっています。奈良市内には三カ所、他に鹿野園、米谷など地すべり地域があるわけですけども、中でもこの地域が面積六十四・五ヘクタール、公共建物として市道八百メートル、有料道路千六百メートル、人家戸数十二戸と、最大の地すべり地域となっています。私たち地元では、この三笠温泉から北西約数百メートルのところは、昔から山が動いて、地すべりが起こって、土が崩れるということで、地元ではぐえん土、ぐえん土というように呼んできました。 そこで、桐木助役にお尋ねいたしますが、この建設大臣指定の地すべり防止区域というのはどういうものなのか。また、この地域一帯の地すべりの原因は何なのか。先ほど述べた一連の撓曲、断層との因果関係はどうなるのか。この辺についてお尋ねします。また、具体的な地すべり対策はどのようになっているのか。市の具体的なかかわりはどうなっているのか。以上の点について、お尋ねをしたいと思います。 質問の最後に、商業と観光対策についてお尋ねします。まず、商業の問題についてお尋ねいたします。八月の二十三日から三日間、「つくろうわがまち日本の未来」「中小商工業のちからで豊かなくらしと経済を」をテーマに第十回中小商工業全国交流・研究集会が、県文化会館や中小企業会館など、奈良市内の九会場を使って聞かれました。集会では、大型店の進出で大きな打撃を受けた商店街を立て直そう、商業と住居が一緒に存在する、高齢者も安心して住み続けられるまちづくりを、など二十の分科会に分かれて熱心な討議が行われ、パネルディスカッションも行われました。この集会は、二年に一回開かれるもので、中小業者の恒常的な研究集会としては国内で唯一の催しで、過去ドイツやイギリスとの交流もあり、ことしは初めて韓国・ソウル市から全国小企業連合の代表八人も参加され、韓国の中小企業の実情など、特別報告もありました。また、OECD東京事務所の原所長もパネルディスカッション「欧米各国の中小企業政策」などでパネラーを務められました。奈良市からは、大川市長が来賓として参加されたのを初め、村田経済部長、尾上商工労政課長や関係課の職員も参加されていますが、参加された感想と市内の中小商工業発展のためにどういう思いを抱かれたか、まずお聞かせいただきたいと思います。 次に、今回の交流集会の中で、大型店の進出で商店街の空洞化が進み、買い物をする店もなくなり、まちに人が住めなくなるといった状況が全国各地で生まれていることや、そうした中で中小商工業者が地域経済の担い手として、地域振興、商店街の活性化など地域づくりに取り組もうという意欲的な取り組みがなされていることなども紹介され、そうした活動の交流も行われました。 ところで、新聞報道によりますと、通産省・中小企業庁は十八日、空洞化が進む地方都市の中心市街地活性化対策として、自治体などでつくる第三セクターが商店街の空き店舗を購入したり、改装して新たな出店者をあっせんする場合、補助金を含む新たな助成措置を来年度から実施する方針を明らかにしたこと、そして空き店舗の増加で、商店街の活力が失われるのを防ぐため、行政が仲立ちとなり、商店街の魅力アップにつながる計画的な出店を促すなどとなっています。 そこで、この国の助成制度がどういうものなのか、御説明いただきたいと思います。我が党は、一方で大型店に対する規制緩和をそのまま放置したままでの空き店舗対策では、果たしてどれほどの効果が期待できるのか甚だ疑問に思うわけですけれども、その点どう考えられるのか。また、大型店の市場占有率は、現状ではどうなっているのかについてお尋ねします。また、国の空き店舗対策が該当する地域商店街は、奈良市の場合どこになるのか、お尋ねをいたしたいと思います。 次に、観光対策についてお尋ねします。平成八年の「奈良市入込観光者調査報告書」によりますと、観光客数は六年連続減少しているが、減少率は一・〇%を割り、減少傾向に一定の歯どめがかかりつつあるとあります。これを月別で見ますと七月、八月、十月の減少が目立っていると言われています。他方では、宿泊者数は昭和六十一年以来、七年間二百万台を維持していたものが、平成五年から平成八年のここ四年間は二百万台を割り込み、平成五年百九十二万一千、平成六年百八十二万七千、平成七年百九十万七千、平成八年百八十八万四千となっています。 そんなときに、九月五日付奈良新聞は、奈良の修学旅行PRに水を差すのではと、次のような記事を掲載しています。少し紹介します。 古都を思わせる観光地で、生徒風の一行が「修学旅行ってみんなここなんだよな。何とかなんないの、先生」とぼやく--。来月一日の長野行き新幹線(東京発)開業を宣伝するテレビコマーシャルで、JR東日本が京都、奈良を思わせる観光地を引き合いに出した。修学旅行の減少傾向が続き、誘致に力を入れる奈良にとってはちょっと刺激的な内容だ。コマーシャルでは、京都の金閣寺風の建物や五重の塔、朱塗りの橋がある風景の中を、学生服を着た一行が「修学旅行ってみんなここなんだよな。」「何とかなんないの、先生」「テニスとかしたーい」「信州とか行きたーい」とぼやく。すると、一人が「信州に行く新幹線できましたよ」と言い、一行は一斉に引き返す。寺では、驚いた尼僧が「住職、団体はんが信州へ」と伝え、住職と尼僧までがスニーカーに履きかえて新幹線で信州に向かうという展開、こういうちょっとどぎついコマーシャルの記事が出ておりました。 一方、奈良市は先月二十八日、東京で首都圏の中学、高校の修学旅行担当者を集めて懇談会を聞いたばかりで、修学旅行の誘致に必死。担当した市観光課はコマーシャルについて「インパクトがあり、若い人の関心を呼ぶだろう」と認めつつも、「一時的な浮気はあっても、日本人が真の国際感覚を身につけるには、若い時代に奈良の歴史、文化に触れることが欠かせず、いずれ戻ってくる」と反発や動揺はない、こういう記事が出ておりました。 そこで、市長にお尋ねいたします。この新聞記事にありますように、動揺せず落ち着いているというのは大いに結構なんですが、いずれ戻ってくると期待しているだけでは、これまただめだと。そこで、観光客を実際に増加に転じるため、どのような対策を考えておられるのか。若干、午前中の質問ともダブりますが、簡潔に、具体的にお聞かせいただきたいと思います。 私は、昨年の三月議会で観光奈良の活性化へということで、例えば本店移転後の南都銀行の建物活用について、ここを商業と観光の拠点、文化・情報の発信基地としての活用を考えることや、夜の観光に一役買ってもらうため、代表的な大正建築である本館をライトアップして夜のサロンにしてはどうか。また、大型観光バスの駐車場対策など、幾つか具体的な提言をさせていただきました。 ところで、昨年十一月十五日から十六日、商工会議所の青年部全国大会が一泊二日で聞かれました。奈良コンベンションビューローの調査では、観光消費額は一人当たり平均五万七千四百八十九円となっています。また、ことしの夏は八月七日から九日、全国高校総合文化祭、パレード参加者は千六百四十三人、また八月二十三日から二十五日、先ほど紹介いたしました中小商工業全国交流・研究集会、参加者千六百人が開かれています。大川市長は、この中小商工業者交流・研究集会で、宿泊客の少ない夏場にこのような大会を開催していただいたことは、大変地元としてはありがたいと歓迎のあいさつを述べられました。 そこで、私は、宿泊客対策として、例えば熱海市では平成六年度から全国大会開催事業補助金制度を実施していますが、この事業というのは、熱海市で全国規模の各種大会が開かれ、市内宿泊者の数が百人以上の場合は、開催する団体に対して補助金が交付されるというものであります。この補助金は、宿泊者一人につき千円で二百万を限度としていますが、この事業は大会主催団体からも、また関係業者の間からも大変喜ばれていると伺っています。 そこで、この事業について、もう少し紹介をさせていただきたいと思います。熱海市の旅館・ホテルの一日最大宿泊定員は、平成七年で三万二千二百七十五名でありますが、この事業の実績を見ますと、初年度の平成六年が八十六件、大会宿泊者数が二万三千五百三十二名、補助金支給額が二千二百八十一万七千円。次の七年度は百七十八件で、宿泊者数が四万三千八百三十六名、補助金は四千三百八十三万六千円。平成八年が二百十三件、宿泊者は五万七千八百七十一名、補助金支給額が五千七百八十七万一千円となっています。これを見ますと、二年目は初年度の二倍、三年目は初年度の約三倍と実績が伸び、事業効果が顕著にあらわれています。仮に、さきの商工会議所青年部の数字を参考にして試算いたしますと、二千人の人に宿泊していただいて、そうして一人五万七千四百八十九円、これに二千人掛けますと、約一億千四百九十七万八千円のお金を落としていただくことになるわけです。で、補助金は二万円と。例えば百万の補助金で、一千人が宿泊していただいたとして、五千万。この商工会議所は、若いなかなか力のある方が多いですから、お金もたくさん使われたと思いますが、一般に百万の補助金で千人の人が宿泊していただいたら、そしたら五千万前後のお金が落ちると。二百万の補助出して二千人泊まっていただけたら一億のお金が落ちる。これは非常に事業効果が高いと思うわけであります。 そこで、大川市長にお尋ねいたします。市長は、こういう補助事業が行われていることを御存じかどうか。また、この事業を奈良市で実施することについてどう思われるのか、お尋ねをしたいと思います。 以上で私の第一問を終わらせていただきます。 ○議長(浅川清一君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 三十六番横田議員の質問にお答えをさせていただきます。 まず、世界遺産の今後の取り組みについてでありますが、古都奈良の文化財が本年六月末に外務省を通じてユネスコの世界遺産センターヘ推薦されましたことは、国、県、その他の関係機関の皆様方に対して大変感謝をしているところでございます。今後はユネスコの現地調査への対応に全力を尽くすとともに、来年十二月ごろには世界遺産に登録されますよう、万全を期してまいりたいと存じております。また、世界遺産登録の実現に向けて、国、県、関係社寺等と十分な調整を図りながら、世界遺産に推薦された文化財を初め、周辺に所在する貴重な文化財の保護・継承に努めるとともに、市民の皆様方への広報活動を積極的に進めてまいりたいと思っております。 次に、世界遺産登録に伴う歴史的環境調整区域設定の意義や、文化財保存と周辺の環境保全の重要性についてということでございますが、世界遺産登録における歴史的環境調整区域の考え方については、小杉 隆前文部大臣や小野元之前文化庁次長による衆議院決算委員会での答弁の趣旨のとおりでございます。今回、世界遺産登録に推薦していただいた総面積は、先ほど言われましたように、三千百十八・四ヘクタールにも及ぶ広大な地域を推薦していただいておりますので、国際文化観光都市奈良として、今後も歴史的な環境を守り、伝えていくことが、私たちの大きな責務ではなかろうかと存じている次第でもございます。 なお、古都奈良の文化財として世界遺産に推薦されたまちを市政の根幹に据えて、環境整備や文化財保護に取り組んでまいりたいと存じております。 また、ならまち景観形成地区につきましては、住民のコンセンサスを得て進めてまいることとなりますから、今後、御指摘のことについても検討してまいりたいと存じております。 次に、旧最勝院の保存と活性化についてでございますが、御質問の中にもございましたように、興福寺の境内に二百とも言われる塔頭がございまして、その中でも今残されているというのが最勝院と県のセミナーハウスのところだけというようなことでございますが、今後どのように保存するかということでございますが、奈良市もこの最勝院跡の保存の必要性を見て土地の取得をさせていただき、今後は一つの文化的な事業に活用させていただきたいと、かように思っているところでございます。 次に、東大寺周辺地域の整備についてでございますが、東大寺、正倉院と一体となった当該地域は、バッファーゾーンとして古都保存法、保存区域並びに風致地区にも指定されており、世界遺産登録周辺地としても、ふさわしい自然と一体となった景観を守っていきたいと思っております。さらに、世界遺産登録にふさわしい景観をつくり出していくことが重要であると考え、平成七年から十一年までの五カ年の計画で、国道三百六十九号、奈良・天理線を荒池から押上までの区間について、電線類の地中化を県事業で進めているところであります。今後、この事業をさらに北へ延伸していくよう、県にも働きかけてまいりたいと存じております。 次に、世界遺産センターの地域事務所は、世界遺産登録への調査などを業務する施設で、政府間でアジア地域の事務所を日本に設置する方向で検討が進められているところであり、奈良市としても強い関心と期待を待って県とともに情報収集などに努めているところであります。平城宮跡周辺は、世界遺産として推薦されるとともに、奈良国立文化財研究所などトップレベルの研究機関があり、この地に設置が実現すればアジアの歴史・文化の拠点として世界の脚光を浴びるのではなかろうかと、このように思っている次第でございます。 次に、アジア事務所と国立文化財研究所との協力関係についてでありますが、この件につきましては、県とも十分に相談をしながら、ともに協力し合って進めてまいりたいと、かように思っております。平城宮跡の中に奈文研がございますが、先ほども言いましたように、奈文研の技術は世界的にもすばらしいトップレベルにあるものでありますので、そういう関係からしても、やはり世界から注目を浴びているんじゃないかなと、かように思う次第でもございます。 次に、春日原始林の防火対策についてでありますが、春日原始林が世界遺産登録の指定候補となり、世界にも余り例がないと言われる自然遺産を後世に伝えていくために、その保全に万全を期していかなくてはならないと思います。消防本部では、原始林管理者と毎年合同防災訓練を行っており、ことしも六月二十六日にかなり大がかりな訓練を実施いたしてまいりました。 防災上大切なこととして、一つ目は、消火栓がさびついたり、駐車車両によって有事の際に支障の来さないよう、維持管理が重要であります。二つ目は、いがなる場合でもスムーズな活動ができるよう、繰り返し訓練をする必要がございます。三つ目は、ハイカーや訪れる人に、たばこのポイ捨て防止などの防火思想を息長く啓発していく必要があります。四つ目は、万一火災が発生した場合には、空からの消火が効果的と考えられますことから、奈良県におきましては防災ヘリコプターの導入を検討中でありまして、平成十年十月には運行開始予定と聞いておりますので、これが運行開始すれば防災上大きな力になるものと思います。 次に、東大寺の総合防災事業についてですが、東大寺の総合防災対策につきましては、昭和六十三年当時、奈良市消防本部と東大寺側と協議をいたしまして、平成元年から年次計画により防災設備の整備が進められてまいりました。防災設備の内容は、自動火災報知機設備、防火水槽、消火栓、放水銃、ドレンジャー設備、避雷針、池のしゅんせつ、その他であります。設置計画の進捗状況につきましては、現段階では当初計画の約九割が完成を見ているところであります。 次に、消火栓使用による水圧低下と自然水の問題についてでありますが、東包永町火災現場周辺には、八カ所の公設消火栓と二カ所の私設防火水槽が設置されております。消火栓は百ミリメートルから百五十ミリメートルの配管上に設置されており、四方から送水されるため、水圧の低下は考えられません。防火水槽等を使用した場合は、初期消火には有効でありますが、本件の火災では、消防隊の到着時からかなり大規模化しておりましたので、長時間の放水が必要と判断したことから、すべての車両は、水量豊富な消火栓に水利部署し、包囲体制をとり、消火したものであります。御提言のとおり、出火場所及び出火現場の状況によって、自然水利を利用することは非常に大事なことであると考えております。また、月に一回以上は市内すべての消防用水利を実地調査し、その状況把握しております。 次に、現場指揮本部設置と指導体制については、当火災現場を管轄する東消防署長は、現場到達後、火災現場北側に指揮所を設置し、情報収集に当たるとともに、報道機関に対しても的確な応対を実施いたしました。なお、御提言の指揮本部につきましては、火災の規模等を考慮し、全体を見渡せる高いところから指揮できるよう、今後も十分検討を加えてまいりたいと思っております。 次に、通信指令システム及び通報時間と覚知時間のずれの疑問についてでありますが、消防本部の通信指令装置は、コンピューターによる通信指令システムで、平成八年三月より稼働しております。この新通信指令システムは、一一九番通報入電中に自動的に出動予告され、通報者の住所付近の地図が画面表示される発信地表示、ボタン操作一つで災害地点確認、災害現場直近のところに自動的に出動指令が下命されるとともに、消防本部屋上に設置の高所監視カメラが一一九番通報時、通報場所方向に自動的に旋回し、火災現場を確認できるシステムとなっております。さらに、この通信指令装置は、通報受信時刻が自動的に記録され、かつ発信地や通信内容も同時に記録し、受信中にコンピューターが発した出動予告や出動指令も一つの流れとして記録されるシステムとなっております。 五月二十九日の東包永町における火災の通報の第一報受信は、午前零時四十二分でありまして、それ以降続々と受信を記録いたしております。このシステムを広く市民に御見学をいただき、新通信指令装置の効率的な働きを御理解願えれば幸いかと思っております。 次に、大池の自然水利についてでありますが、御質問の大池でございますが、所有及び管理者は宮内庁であり、水利権は法蓮町であります。水量は現在のところ約一万トンと推察いたします。数十年前と比べると土砂の流れ込みによって多少保有水量は減少しているかと思いますが、そのため所有者であります正倉院より、京都御所を通じて宮内庁に対し、しゅんせつのための予算要求はされておりますが、現在のところ認められていないということでもございます。 次に、東部地域の振興策についてでありますが、奈良市の第二期基本計画におきましては、東部地域は森林地域と農業地域が大部分を占めており、豊かな自然や緑の保全に努めるとともに、健全な土地利用を図る上からも、総合的な地域生活圏の確立を図る対策が重要と位置づけているところであります。平成九年三月に策定された奈良県第三次国土利用計画におきましても、大和平野地域の東部については、発展可能性の高い地域であることから、道路等、生活・産業基盤の整備を推進するとともに、自然環境との調和に留意しつつ、良好でゆとりある市街地の形成を目指した土地利用を図ることを基本としております。したがって、東部地域の緑を守りながら農業振興策、就労の場としての工場団地あるいは定住化を図ってまいり、上・下水道の完備も促進してまいりたいと思っております。 次に、環境基本計画につきましては、平成九年度及び十年度におきまして策定する予定です。この策定に当たりましては、市民だよりによる市民の環境への意見や市民アンケート調査を実施するとともに、環境審議会にも諮って、環境を保全し、歴史と自然を守る計画を策定してまいりたいと思っております。御意見のございましたまほろば会議の意見も十分に尊重してまいりたいと思っております。 次に、商業と観光対策についてでございますが、中小企業対策については、参加された感想と、今後の市内の中小企業発展にどういう思いを持っているかということでございますが、私は、日本経済の発展は、大企業はもちろんのこと、中小企業の努力を忘れることはならないと思います。したがって、第十回の中小商工業全国交流・研究集会に参加をさせていただき、その会場では長引いている不況から脱却するために、それぞれが努力されている熱意を思い浮かべることができました。そういうことで、また全国から参加された人たちは、自然と文化遺産に恵まれた環境の中で、商工業の学習に加えて、日本の歴史も学んでいただけたものと思っております。また、経済活性化のためにも、奈良市の中小企業の支援等についても、これから十分検討させていただきたいと思っております。 次に、空洞化が進む中で、地方都市の中心市街地活性化対策としての国の方針ということでございますが、通産省は、大店法見直しの見返りで、次期通常国会に中心市街地活性化法案を提出する方針と聞いております。これは従来、個々の店舗や商店街ごとに実施していた支援策を改め、駅前の半径数百メートルを再開発地域に指定し、効率的に施策を展開するとしています。 次に、大型店に対する規制緩和を放置したままでの空き店舗対策で、空洞化が食いとめられるかということでございますが、国の規制緩和の方針の中に大店法も入っており、避けて通れないと思います。したがって、規制緩和を前提とした商店街の活性化方針が必要と思います。 次に、大型店の市場占有率はどうなっているかということでありますが、奈良市の大型店の占有率は、商業統計調査によれば六三・六%となっております。 次に、この国の制度が該当する商店街はどこなのかということでございますが、詳細な通達等が出ておりませんので、現在では該当商店街は確定できません。 次に、観光客を実際に増加に転じるためにはどのような具体策、抜本策を考えているかということでございますが、御指摘のとおり、奈良に訪れる観光客の減少は一応は歯どめがついたものと見られます。そこで、特に修学旅行の奈良での宿泊を復活するため、従来からの奈良県修学旅行受入対策委員会での誘致宣伝活動に加えて、八月二十八日に「『新・修学旅行』フォーラム」を開催したところ、一定の成果も上げております。今後もこれを継承して、首都圏以外の都市でも実施してまいりたいと思っております。 また、朱雀門や東院跡庭園が来年四月に一般公開されることと、さらに古都奈良の文化財が世界遺産に登録されれば、いずれも新しい観光資源になると思います。今後、これらを含めた観光宣伝を行いながら、さらなる観光客の誘致に努めてまいりたいと存じております。 次に、熱海市のような例を挙げての御説明をしていただいたのでありますが、私も熱海市長とは特に親しい仲でもございまして、また熱海市は奈良と同じように国際観光文化建設都市法に基づいた温泉都市でもございます。したがって、観光客誘致については、大変努力をされております。奈良市につきましても、オフシーズンについては、熱海市の意見も聞いておりましたし、あのようなことも考えていかなければならないんじゃないかなと、そんなふうにも思っていたところでもございます。今後、十分検討させていただきたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 桐木助役。  (助役 桐木 弘君 登壇) ◎助役(桐木弘君) 地すべり対策について、三点にわたりまして御質問いただいたわけでございます。 まず、第一点目の地すべり防止の指定区域についてお尋ねでございますが、市街化調整区域では五ヘクタール、また市街化区域では二ヘクタール以上の地すべり地域の面積を有し、一定の定めました基準でもって、建設大臣が地域の保全と住民の安全を図る目的で、地すべり防庄区域というのを指定されておるというところでございます。 第二点目の活断層とのかかわりについて御質問いただいたわけでございます。さきに県当局による調査の結果からは、活断層との直接的なかかわりではなく、地下水による地すべりを引き起こしているというところから、昭和五十六年三月に川上町地域の約六十四・五ヘクタールが地すべり防止区域ということで指定されたということでございます。 それから、第三点目の地すべり対策と市のかかわりについてお尋ねいただいたわけでございますが、この対策工事につきましては、県事業として地下水を下げるという工事、あるいは地表水の排除工事、それから抑止ぐいの工事を現在も施行されておるわけでございまして、現在地におきます地すべりの観測、調査を進めながら、引き続きこの地すべり防止対策に県当局としても万策を講じておられるというところでございます。我々もそういうふうな推移を見ながら、安全確保にかかわってまいりたいなというふうに存じておるわけでございます。 また、この直接的な地域防災計画の中では、地すべり防止区域は災害における危険区域ということで指定をしております。その対策については、予防計画で実情に即した対策を講じるということが肝要でございますので、地すべりの兆しがあれば、早期に住民を避難させるなどの緊急な対策を行うということに取り決めをしておるというところでございます。 以上でございます。 ○議長(浅川清一君) 横田君。 ◆三十六番(横田利孝君) 二問目は自席で行わせていただきますが、もう時間が余りなくなりましたので、要望を中心にさせていただきたいと思います。 一つは、世界遺産センターアジア事務所について、今、市長の判断といいますか、考えをお聞かせていただきましたけれども、世界でもトップレベルの奈文研の技術などを活用も含めて、やぱりあこに持ってくるということの根拠といいますか、お伺いいたしました。この問題については、辻 第一衆議院議員の質問に対して、日本政府は、世界遺産を保護する上でアジアでのリーダーシップを日本がとっていくのは、大変重要なことだと思っていると。 奈良には国立文化財研究所があり、専門的な技術や知識を待っていると。アジア事務所とこの研究所との協力関係は、不可欠であるというふうに思うと。こういうことを政府も答弁はっきりといたしております。この点では、私たちも、また今、市長の御答弁いただきましたけれども、全く考えは政府の考えとも一致しているわけですので、ぜひこの場所に一日も早く誘致できるように、特に国その他との窓口は県ですので、ぜひ具体的な相談を県との問で詰めていって、一日も早く実現が図られるように、一層の御努力を要望したいと思います。答弁は結構でございます。 自然水利の問題とのかかわりで、東大寺の、正倉院の大池の問題についても御答弁の中で説明いただきましたので、もうこの辺は割愛させていただきたいと思います。 それから、東部地域の問題についてですけれども、ゴルフ場建設の行き詰まり、そして中国文化村計画の破綻というのが明確になる中で、この定住化、住宅開発というのが今言われている、工場も含めてですけれども、特に住宅開発という声が一部にあるわけですけれども、バブルが崩壊して土地神話が崩れたもとで、例えば一方で西部地域の方などでもですね、新築された住宅が空き家のままで放置されているといった状況も一部にはやっぱりあるわけでして、そういう意味で、そういう点から見ても我が党はこうした具体的な地域振興策抜きの、先に住宅開発ありき式の東部活性化対策では、これはやはりまずいんじゃないかと。行き詰まったJR駅周辺の開発事業の失敗といいますか、これを再びまた東部で繰り返すことにもなりかねないと。また、それは東部の自然環境の大規模な破壊を引き起こすことにもなるというように懸念するわけであります。 したがって、例えば剣の聖地である柳生などは、国民的スポーツである剣道の里としてですね、全国の剣道愛好家やちびっ子剣士集まれということで全国各地に大いに宣伝もし、案内して、合宿できる施設をつくっていくとか、整備するとかですね、いうようなこととか、例えば柳生の芳徳寺では、毎年、日本剣道連盟主催の全国指導者講習会が持たれているわけですけれども、伺いますところによりますと、現在全国で県立の武道場がないのは奈良県だけだとも聞いています。こういう点で県と協議してですね、剣聖の地柳生に、例えば合宿できる施設は市がつくってですね、そして武道場は県が建てるというように互いに協力し合って、そういう歴史的風土などを生かした地域振興策、整備、こういうものをやはりもっと進めていく必要があるんじゃないかと。昨年、ことしなど、大阪のある体育系の高校がね、春には五十人余りで合宿に来て、柳生の正木坂道場で剣道合宿をやっていると。しかし、柳生にそういう宿泊場所がないので、現在は大柳生の野外活動センターを使っているようですが、そういったことなどにも着目をしてですね、やっていくと。 他方では、ショウブ園など人気を呼んでいるようですけれども、農業と観光をジョイントしたグリーンツーリズムや自然体験的なエコツーリズムなども取り入れ、またハイキングコースなども整備しですね、多くの人が自然に親しめるような整備を図っていくとか、木の温かさとか木の文化を重視されている市長のもとで森林組合と提携をして、東部の森林や木材の活用などさまざまな可能性を生かしたですね、地域振興策の検討をやっぱり考えていくべきだと。 だから、地域振興策抜きの、先に住宅開発ありきといった発想は、やっぱりこの際ですね、もう一度検討する必要があるんじゃないか。そういう地域振興策の探求こそですね、今、東部地域に求められているんじゃないかというように考えるわけであります。時間がありませんので、要望にしておきたいというように思います。 地域防災計画、災害対策の問題ですけども、地元の人の話ではですね、三笠温泉のあるホテルの駐車場の隅のとこに割れ目があって、雨の後とかゴーッという地下水の音がするというようなことを言われています。このあたりは大雨のときなど大量の水が出てですね、さきの七月十三日の大雨洪水警報のときもですね、上から流れた水が水路をのみ込めずですね、地獄谷水路の上の市道が川となって流れるというようなことがありました。この日の雨で、川上町一帯では床下浸水が二十七件、市内で最も大きな被害が出てますし、水利組合、地元自治会から水路の清掃や排水対策などの要望が市に出されています。 その排水対策との関連で一つだけお尋ねしますが、この地域は油倉山荘、大和山荘の北側をですね、上から流れてくる地獄谷水路と南から北に向かって流れてくる水路と、もう一本北側の三笠温泉、三笠霊苑の方から流れてくる水路があってですね、これらが一つに合流する会所があるんですが、それを一つにまとめて佐保川に落としてるんですが、大雨のときには佐保川の水位が上がってですね、逆流してはけないと、水がね。だから、その三つの水路の合流点が、いつも会所の辺が水つきになって騒ぎが起こると。私は、先ほど桐木助役もおっしゃいましたけれども、この地すべり対策上も、また浸水対策上もですね、この地域の水抜き対策といいますか、これをもっと重視しなければならないんじゃないかというように考えているわけですが、その一点について、助役の答弁をお願いしたいと思います。 最後に、商業と観光対策の問題ですけれども、市長も熱海のああいう取り組みについて、こういうことを奈良でもやってはどうかと考えていたところなので、今後よく検討していきたいという前向きの答弁いただきましたので、ぜひオフシーズンなどひとつ検討していただきたいというように、よろしくお願いします。 特に商業の問題で、国の空き店舗対策の対象から外れたような、いわゆる小さな商店街や市場などどうするのかという問題が一つ出てくると思うんですが、ことしから商業調査が商工会議所などを中心にやられていますが、国の空き店舗対策の補助対象から外れるところも含めてですね、市内のすべての商店街に対する地域振興策の具体化、地域振興条例の制定などをぜひですね、具体的に取り組んでいただきたいということを、これは要望しておきまして、この間中小商工業交流集会に参加した市長の非常に前向きの感想などを聞かせていただきましたので、ひとつくれぐれもよろしくお願いしたいということを、これも要望しておきまして、桐木助役に一点だけ答弁よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(浅川清一君) 桐木助役。 ◎助役(桐木弘君) 今御指摘ございました、川上町の浸水対策のことであろうというふうに思っておりますが、七月の集中豪雨によりまして、この一部地域に被害をもたらしたと、大変御迷惑をおかけしたというところでございます。したがいまして、その後の浸水対策について、佐保川はやはり県の準用河川等の関連もございまして、県当局と真剣に地元からの要望書もいただいておることを踏まえまして、現在、その解決に向けて協議を進めておるところでございますが、今も御指摘ございましたが、いっとき水というか、いわゆるこの佐保川への放流口といいますか、そういうもののやっぱり位置変更というのが前提条件でないと、なかなかはけ口が満たされ得ないということになりますので、今、その放流口の変更に絞りましてですね、いわゆる協議を進めておるというところでございます。一定の成果が出るという形で今まで協議をいたしておりますので、今しばらくお待ちをいただきたいなというふうに思っております。 ○議長(浅川清一君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明十三日より十五日までの三日間は休会し、十六日午前十時より本会議を再開して質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(浅川清一君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。  午後四時三十三分 散会---------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。     奈良市議会議長   浅川清一     奈良市議会議員   中村篤子     奈良市議会議員   山本 清     奈良市議会議員   横井健二...